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読者(?)が送ってきた日刊ゲンダイ切り抜きと言論の自由

2010/09/03 09:58

 

 

 《私が嘘と呼ぶのは、見えるものを見まいとすること、あるいは見えるとおりには見まいとすることである。(中略)ところで、この見えるものを見まいとすること、あるいは見えるとおりには見まいとすることは、何らかの意味で党派的であるすべての人にとって、ほとんど第一条件ですらある。党派人は必然的に嘘つきである》(ニーチェ「反キリスト」)

 

   

 

 

 昨日は、民主党の代表選をめぐる菅直人首相と小沢一郎前幹事長の公開討論会に行ってきました。感想は、今朝の産経政治面で書きましたが、まあ、どっちも「虚ろ」だなあというものでした。貫禄は、さすがに小沢氏の方に軍配が上がりますが、無理のあるつくり笑顔がときどき引きつっていました。菅氏は、己の「小ささ」と無内容さを赤裸々にさらしていました。

 

 で、今朝、夕刊当番のため会社に来てみると、政治部宛に読者(?)から、怒りの手紙が2通届いていました。一つは、日刊ゲンダイの記事を同封してあり、「8月27日の同封記事をよみ、まったく情ないが今の我等の日本のマスメデヤは同封の記事の通りで…」とあり、要は新聞はデタラメであり、事実などはどうでもよく、だから民主党小沢一郎氏をたたいているのだ、という趣旨のものでした。

 

   

 

 

 もう一通も、やはり日刊ゲンダイの記事と私が書いた民主党解剖の記事を同封し、マスメデヤは「悪い事は全部小沢に押しつる」「あわれなサンケイ、こんなアホ新聞しか日本にないのか。なるほどと思う新聞は今の所夕刊現代」と記してありました。

 

   

 

 

 …まあ、何をどう考えようと自由ですし、その考えを表明することもまた好きにしてもらってかまいません。われわれは、その材料を提供し、一定の価値はあると判断していただいた読者から対価を得ているだけですから。読む読まないは個々人のまったくの自由ですし、それと同時に、当然のことながら私にも見方も意見もあれば、それを述べる権利もあることでしょう

 

   

 

 

 …と、そんなことをぼんやりと思いながらテレビ朝日の小沢氏が出演した番組を眺めていると、自分は潔白だと主張する小沢氏を鳥越某だとか山口某だとかが盛んに持ち上げていました。その小沢氏の勝利が決まったかのような興奮ぶりを身ながら、小沢支持の弊紙読者(?)もそんなに心配することないのにな、と考えました。

 

 そして、言論の自由が保障された日本という国は本当によい国だなあと、この国の先行きに思いをはせつつ、そう改めて感じた次第です。なんだかなあと。

 

 《狂気は個人にあっては希有なことである。しかし、集団・党派・民族・時代にあっては通例である》(ニーチェ『善悪の彼岸』)

 

 

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2000万アクセスに到達しました。

2010/09/01 18:30

 

 

 民主党代表選の最中に全く関係のないご報告ですが、さきほど(午後6時10分ごろ)確かめたところ、このブログの累計アクセス数が2000万216となっていました。

 

 4年3カ月、1105エントリ目での達成でした。ここに到達したからといって、会社から1銭だってもらえるわけではありませんが、ともあれ、訪問者の皆様方に改めてお礼を述べたいと思います。

 

 本当に、ありがとうございました。

 

 ちなみに、コメント数は7万291、トラックバック数は1万4608でした。まあ、いろいろとご批判も受けていますが、それでも、これだけたくさんの人が訪れてくれたことには素直に感謝します。重ねて、ありがとうございました。

 

 そして、いたらない、どうしようもない放言ブログですが、今後もどうかよろしくお願いします。

 

 さて、これだけではいくら何でもアレなので、きょう興味深かったことを一つ。今朝の読売と朝日の社説がともに、代表選と鳩山由紀夫という人について取り上げていたのですが、その視点、論調がとても似ていたので紹介します。

 

 読売 《調停に乗り出した鳩山氏の責任は大きい。

 内政・外政で迷走を重ね、首相を辞任して間もない鳩山氏は、本来、謹慎の身であるはずだ

 しかも、鳩山氏は、初めは菅首相続投を支持しながら、中途から小沢氏支持へと変わった。辞任の際、「クリーンな政党を」と言い残しながら、「政治とカネ」の疑惑を抱えたままの小沢氏を推すのもおかしい。

 矛盾に満ちた言動を繰り返している鳩山氏は、調停役として不適格だったのではないか

 

 朝日 《それにしても、鳩山由紀夫前首相の一連の行動は理解に苦しむ。(中略)

 いまさら「トロイカ」を持ち出す思考に驚く。政治とカネの問題で引責し小沢氏とダブル辞任したばかりなのに、どういう脈絡からこうした発言が出てくるのかわからない。

 鳩山氏は身を慎むべきである。》

 

 …両紙とも、鳩山氏はもっと謹慎すべきだとしていますし、その理解不能な身勝手な言動に眉をひそめていますね。当然でしょう。

 

 先日は、やはり小沢氏の代表選出馬表明と鳩山氏の支持発言について、朝日と産経の社説がともに「開いた口がふさがらない」と書きました。日ごろは論調が異なることが多い新聞でも、ことこの鳩山イシューに関しては、同じように「いいかげんにしろ」と言いたくなるのでしょうね。

 

 …と、ここまで書いていて、ふと、記念すべき2000万アクセスの報告エントリに、鳩山氏のことなんて書いた自分の不明と不見識が恥ずかしくなってきました。読者の皆さんに謹んでお詫びします。ごめんなさい。

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小沢氏の代表選出馬を心から歓迎し、感謝します。

2010/08/31 19:52

 

 

 さあて、とうとう民主党小沢一郎幹事長が正式に代表選への出馬を表明しましたね。私は昨年12月12日のエントリ「現実味が出てきた小沢首相という悪夢」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1379510/)で、この人の意欲がだんだん増してきたのではないかと指摘していましたが、この厚顔ぶり、もとい、軽佻浮薄な世の風潮に流されない姿勢はさすがです。記者会見に臨んだ無表情な顔が、チタニウム合金に見えた(渋く輝いてみえた)ほどです。

 

 小沢氏は、これまでも「国民が望めば仕方がない。天命に従う。そうでなければ代表なんてやっていない」「わが党が衆院でも過半数を得れば、その責任を負わなくてはならないのは当たり前だ」などと、首相就任を拒まない考えは示していました。でも、健康不安やさぼり癖、説明嫌いもあって、結局は出ないのではないかという見方が多かったですね。

 

 「国民が望めば~」なんて口では言っていますが、先日(8月28、29両日調査)の産経とフジテレビの合同世論調査では、こんな結果が出ています。少なくとも、6~7割の国民には、思いっきり拒絶されているように感じるのですが…。

 

 【問】菅総理が再選され、続投したほうが良いと思う

 「思う」(74.2%)   「思わない」(21.3%)

 

 【問】小沢氏の立候補表明は適切ではないと思う

 「思う」(77.1%)   「思わない」(19.0%)

 

 【問】小沢氏の立候補表明につながったとされる菅総理の「脱小沢」の方針は評価できると思う

 「思う」(71.4%)   「思わない」(19.2%)

 

 【問】鳩山前総理が小沢氏支持を表明したことは適切だと思う

 「思う」(15.5%)   「思わない」(77.3%)

 

 【問】小沢氏は政府や民主党の中で重要な役職に就くべきだと思う

 「思う」(26.6%)   「思わない」(67.4%)

 

 【問】菅総理以外の新しい総理に代わったら、直ちに解散して国民に信を問うべきだと思う

 「思う」(68.3%)   「思わない」(24.9%)

 

 【問】小沢氏は国会の証人喚問参考人招致に応じるべきだと思う

 「思う」(94.3%)   「思わない」(4.9%)

 

 【問】検察審査会の議決を控えている人物は総理大臣になるべきではないと思う

 「思う」(82.9%)   「思わない」(13.4%)

 

 …いや、いったい何をどう勘違いしたのやら、素晴らしい決断でした。今回の代表選は、さぞや民主党の空恐ろしいまでの素晴らしい実態、内実を白日の下にさらし、また、小沢氏の崇高なる理念と理想を微に入り細を穿ち、世間にさらすことでしょうから。

 

 よくぞ、盟友の西岡武夫参院議長の「代表選に負けたら党から出て行く覚悟で」というありがたい忠告に従い、思い切って立候補してくれたものです。どれだけ感謝してもしたりない気持ちです。勝ったら、首相と代表の分離などと言わず、ぜひ背負いきれない重責を担ってほしいものです。

 

 私は、29日付の産経紙面「新民主党解剖・下」の最後に、こう書きました。

 

 《過去20年間にわたり、日本の政治の動きを一つのパターンに閉じこめてきた「小沢神話」は、今回の代表選でようやく終焉を迎えるか。それとも、政界はまだそこから自由になれないのだろうか。》

 

 代表選という公の舞台で、シロクロだかアカクロだかをはっきりつける機会が訪れました。これまでのエントリを読んでいただければ、私が菅氏やそのスタッフを評価しているわけでももちろん支持しているわけでもないのはご理解いただけると思いますが、今は期待しているのです。

 

 今回、ルーピー(本名は忘れました)は伝書鳩となってくるくると飛び回った揚げ句、小沢氏への支持表明を繰り返しています。鉄面皮だか豪腕だかを道連れに、一緒に遠い宇宙の彼方に飛んでいってくれることを心から希望します。菅氏らのことは、その後また…。とりあえず、両陣営の丙丁つけ難いであろう選挙戦をいろんな角度から報じたいと思います。

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短信・小沢氏の変わらぬ手法と菅首相の無為無策と

2010/08/31 11:29

 

 

 それにしても、民主党小沢一郎幹事長という人は、本当に昔から相も変わらずいつも同じようなやり方をするものですね。呆れるやら感心するやらです。私は、今回の代表選で今度こそ、この古い小沢支配の構図から政治から脱却できればと期待したのですが…あーあ。

 

     自らはほとんど発信せず、一方で周囲に憶測を流させ、疑心暗鬼を広める。それによって、幽霊に怯える人間の精神構造を利用して自分を実態以上に大きく見せ、譲歩を引き出す。また、事実上、何も言っていないに等しいので、後に行動を批判された際は「俺は何も言っていない」と開き直り、常に自己正当化を図る。

 

     相手と「会う」「会わない」自体をカードに使い、会談が実現したら会ってやったと恩を着せ、その時点で優位に立つ。譲歩が得られそうだと踏むまでは話し合おうとしない。条件を呑まないと首脳会談に応じないという中国や北朝鮮がよくやるやり方が常套手段(※参考 「専制国家は、会うか会わないかを最初の条件として使う」by安倍元首相)

 

     自自連立の際には、連立離脱カードをたびたびちらつかせ、山崎拓に「オオカミ中年」と仇名された。結局、小渕恵三首相が自自合流(小沢氏の自民党への受け入れ)を呑まなかったので出て行ったが、後の民主・自民の大連立騒動を彷彿とさせる。結局、自分の権力と権勢の拡大を狙っているだけ。

 

 …この暑いのに、こんな三文芝居を必死に追いかけている自分が、バカみたいであります。政治家はよくこういう政局になると、われわれに「書くことがいっぱいあっていいじゃない」などと言いますが、別にこっちは嬉しいわけでも何でもありません。むしろ、もっと大事だと思うことや、関心を抱いているテーマを載せる紙面スペースも、それらを取材・執筆する時間もなくなるので本当に迷惑なのです。

 

 《政府は全然決意することができないのである。さもなければ首相に決意させることができないのである。そのために政府は奇妙な逆説的言辞を弄し、単に決定せぬための決定をし、決断せぬための決断をし、成行きのままに任せ、流動するままに放置し、無為無策のために力を傾けている》(チャーチルの1936年12月12日の演説)

 

 菅直人首相はよく、「モグラたたきの政治家」だとも言われます。大局的な発想や、大方針はなくて、ただ目の前の事象に反射的にモグラたたきゲームのように飛びつくというのです。そして、弥縫策だけを行い、まあそれでも内閣支持率は上がっているんだからいいじゃないかと思考停止し、愚者の楽園ができるだけ長く続くことを祈ると…。

 

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代表選で再び注目が集まる「組織活動(対策)費」の闇

2010/08/30 14:09

 

 

 

ごぶさたしています。ここのところ、例の国民不在の民主党のドタバタのせいでかなり忙しかったのと、記録的な猛暑にすっかりへばってしまったこともあって、更新が滞っていました。実は今もへろへろなので、本日も短めに報告したいと思います。

 

さて、私はご存じの通り、3年7~8カ月ほど前から民主党小沢一郎前幹事長の政治資金問題をあれこれと取り上げ、これはいくら何でもおかしいではないかと書いてきました。その後、この問題はだんだんと周知のこととなっていったので、最近では別にここで書かなくてもいいやと思って放っていたのでした。

 

ただ、民主党代表選に小沢氏が出馬を表明したことで、再びある問題(組織活動費)が注目を集めてきたようなので、ちょっと気になったことを記そうと考えました。本日発売の「AERA」は、「小沢執行部で動いた政党交付金の行方 消えた『37億円キャッシュ』」という記事を載せていますね。

 

この問題に関しては、私はこれまで2009年12月10日のエントリ「以前指摘した藤井財務相の件が文藝春秋に掲載されました」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1361446/)、今年1月7日付の「自由党が小沢氏の関係政治団体に寄付した13億円の領収書」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1403126/)、6月10日付の「小沢氏の党費の使い方・新執行部の対応を少し評価する」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1647022/)などで言及してきました。違法がどうかはともかく、こんなのありえないだろうと。

 

 ご関心をお持ちの方は上記エントリを参照してほしいのですが、これ関連してここ1~2カ月の間に、新聞でもいくつか興味深い記事が載っていたので紹介します。まず、7月16日付産経のインタビュー記事で、藤井裕久元財務相はこう証言しています。

 

 「(自由党時代に計15億円の『組織活動費』が当時の藤井幹事長あてに支出されたことには)まったく知らなかった。どう使われたかも知りようがない」

 

 以前のエントリに書いた藤井氏が周囲に「おれ、あれ知らないんだよなあ」とぼやいたというエピソードは、その通りであったということですね。小沢氏は、政治資金収支報告書上は藤井氏に支出したことにしたそのお金を、果たしてどうしたんでしょうね。

 

 で、8月2日付の毎日新聞は「民主、『組対費』廃止へ 小宮山財務委員長 不透明支出排除」と書いていました。記事にはこうありました。

 

 「民主党の小宮山洋子財務委員長は毎日新聞のインタビューに応じ、使途が不透明と指摘されている「組織対策費(組対費)」名目での支出は行わない考えを明らかにした。組対費は小沢一郎氏が党代表だった06~08年、当時財務委員長だった山岡賢次衆院議員、佐藤泰介あてに計約22億円が支出されたが、使途は明らかにされていない。(中略)また(小宮山氏は)『過去の会計帳簿を専門家に再チェックしてもらっている』と述べ、組対費を含めた過去の支出について調査していることを明らかにした」

 

 これを読んだときは、菅執行部もやるじゃないか、これだけ小沢氏サイドが嫌がりそうなことを堂々と、と感じた次第です。これは是非徹底的にやってほしいものだと。さらに、29日の読売新聞にはベタですが「小沢代表当時の資金配分を調査 菅氏側」という記事がありました。こんな内容です。

 

 「菅首相に近い民主党幹部は28日、小沢一郎幹事長が2006~09年の代表当時、『組織対策費』として特定議員に政治資金を集中的に配分していたことを問題視し、調査に入っていることを明らかにした。9月の党代表選で小沢氏の政治とカネの問題に焦点をあてることで、首相支持につなげる狙いがあるようだ」

 

 …先日、官邸内で仕事をしていると、他社の記者同士が「小沢か菅か、これって本当に究極の選択だよなあ」「うん」と会話をしていました。また、別の社の記者は「まったく、自分の半径20メートルぐらいの人間関係しか考えない政治家ばっかりなんだから」と憤っていました。

 

 まあ、私としては「壊し屋」小沢氏にすべてを本当にぶっ壊してもらって、日本の政界を一から再編するきっかけになればいいなあと願っています。まあ、その通りになるかどうか分かりませんし、今の政治情勢を追うのに精一杯で、先のことを予想するのは手に余りますし。

 

 それともう一つ。暑くて暑くて元気はなくても、ルーピーに対する怒りだけはふつふつと沸いてくるから不思議なものです。余計暑くなるのが悔しいですが。今朝の毎日で山田孝男氏が「そのケジメなき漂流を、私は受け入れられない」と書いていましたが、全く同感です。昨年のきょうは、そのルーピーをここまで増長させた衆院選の投開票日でしたね。あれからやっと1年か。もう何年もたつような気がします…。

 

 追記 おまけとして、さきほど官邸敷地内から撮った沈む夕日をどうぞ。ピンぼけですが、何か不穏な雰囲気があって印象的だったもので…

 

     

 

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議員会館から見下ろせる首相官邸と鳩山氏について

2010/08/25 16:22

 

 

 最近、鳩山由紀夫前首相がやたらと元気で、変に浮かれているのが目立ちますね。軽井沢の豪華な自分の別荘に大勢の議員を招待しながら「国民の生活が第一」と言ってみたり、自分がクビにした民主党小沢一郎前幹事長の「相談」を受けて意向を代弁したり、テレビに出て自己正当化したり、韓国への謝罪談話で暗躍したり…。本日夕には、首相官邸にやってきて、菅首相と会談するそうです。目立つのが好きで仕方がないのか。

 

 というわけで、官邸の道を隔てた隣に立つ新しい衆院第一議員会館から、官邸を見下ろし、「日本の経済が大変なときに代表選のことしか考えない◯×△者どもめが」と独りつぶやいてみました。豪華すぎると批判されている新議員会館は、眺めもたいしたものですね。

 

   

 

 

 こうまで丸見えの官邸もいかがなものかと思いますが、ここで話は飛びます。毎日新聞出身のジャーナリストで、現在も毎日新聞の客員編集委員を務め、テレビにもときどき出ている岩見隆夫という人がいますね。

 

   

 

 先日、ちょっと必要があって文藝春秋2009年4月号の特集記事「これが日本最強内閣だ」を読み返していて、最強内閣を選んだ識者33人のうち、この岩見氏の名前を見つけました。それで、岩見氏が最も首相にふさわしいとした人物はというと

 

 鳩山由紀夫氏でした。

 

 岩見氏が小沢氏批判の論陣を張っていることは知っていましたし、その内容にはおおむね「うんうん」と頷いていたのですが、なんとまあ。文藝春秋に寄せたコメントで、岩見氏は「いま求められているのは、自身のことは横において、構想力と決断力を発揮する能力と勇気を備えている政治家です。その基準で選びました」と述べていました。

 

 …鳩山氏にそんな決断力や勇気があったでしょうか?そこでネットで岩見氏の過去発言を調べると、すぐに

 

 「前任者の麻生太郎さんにくらべると、鳩山由紀夫首相は失言、放言がほとんどない」(09年11月のサンデー毎日コラム)

 

 というのが引っかかりました。これには、いったい何を見ていたのだろうかと驚きました。とてつもない事実誤認がありそうだと。このほか、いろいろいかがなものかという鳩山評もありましたが、さすがに今年に入ってからは

 

 「こんなブレ、脱線発言を重ねていたのでは、首相の権威も信用も到底得られない」(2月の毎日新聞コラム)

 

 「鳩山政権の挫折は、鳩山由紀夫前首相の力不足が第一の原因」(7月の同コラム)

 

 と、さすがに見方が変わっていったようです。当たり前ですが。まあ、しかし、このようなどうしたらそんな勘違いができるのかという誤った認識で、鳩山氏を持ち上げた人はけっこういましたね。例えば、日本総研会長の寺島実郎氏は鳩山政権発足時、こんなことを書いていました。

 

 「新時代の外交の舵取りを行うのが、戦後の『団塊の世代』である鳩山由紀夫氏ということにも運命的な巡り合わせを覚えます。(中略)世界情勢が『友愛』の理想に近づき始めていることもなんとも不思議な巡り合わせです」(文藝春秋09年10月号)

 

 さすが米外交当局者に「ファンタジー」と呼ばれた寺島氏ですね。一方、元大蔵財務官で「ミスター円」との異名をとった榊原英資氏は「鳩山民主党政権の誕生は、日本経済を大きく飛躍させる絶好の機会です」(同号)と記しています。白昼夢でも見ていたのでしょうか。

 

 また、自分が何を言っているか分かっていたのでしょうか。まあ、もともと夢見がちな鳩山氏は、こんな取り巻きたちにおだてられ、甘やかされているうちにいよいよわけが分からない世界の住人になっていったのでしょうね。そして、今もまた、自分だけの世界で友愛をふりまき続け、「外相ポストを狙っている」(ベテラン秘書)と。本当に迷惑千万な人だと思います。

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民主党代表選と西岡参院議長の「正論」と

2010/08/24 09:23

 

 

 数日前の産経抄は「赤と黒」とスタンダールに引っかけて書いていましたが、菅直人首相と民主党の小沢一郎幹事長との間で9月14日の代表選に向けて囲い込み、勢力示威、売り込み、神経戦、駆け引き、疑心暗鬼、足の引っ張り合い…その他みっともない動きが続いています。私も一応、政治記者の端くれではあるのですが、正直なところ、血湧き肉躍るどころか、うんざりげんなりお腹いっぱいというところです。

 

 しかしまあ、そうは言っても、日本の首相を決めることになる代表選の行方を取材し、報じないわけにもいかないし、どっちにしろ「ろくなもんじゃない」と思いつつ、あれこれ考えないわけにもいかないのであります。そんな政局より政策を論じよ、とお叱りを受けそうですが、結局、なんだかんだ言って政策を決めるのも政局であることは、政治の現場を見れば明らかです。

 

なので、それぞれの政治家が自己保身と自己利益に利用している「茶番劇」だと思いつつ、それを熱心に追いかけざるを得ないと…とぐだぐだ考えていたところ、昨日、西岡武夫参院議長が記者会見し、「政治に残された時間と余白はあるのか」という所感を発表し、民主党代表選のあり方を批判しました。

 

本来、政党の枠外・中立的立場を「タテマエ」的ではあっても求められる議長が、こういう文章を発表するのは異例なことだし、批判もあるでしょうが、内容に興味・共感を覚えた部分があるので抜粋して紹介します。

 

     私は、参議院議長として、所属していた政党が、代表を選出することに関しては、如何なる方法でも、投票権も採決権も行使しないし、党内において、発言することもありません。

 

     政権政党は、少なくとも、内閣総理大臣が続投を表明すれば、対抗する代表選の候補者は、相当の覚悟が必要である。自分が属する政党の代表であり、政権を手中にしている現首相を蹴落とそうとするのだから、敗れ場合(これは首相も同様だが)の立場は、惨めなものでなければ理屈に合わない。自分たちが選んだ現政権の理念と基本政策に異論を唱えるからには、突き詰めると、党を去ることも選択肢に入る

 

     だが、その実態は、全く私の考え方とは真逆である。(中略)対抗馬が理念や政策でなく、ただ代表選に出るだけで開かれた政党である、という虚構の下で、近年は、実際の代表選が行われている、という事実がある。

 

     代表選挙が行われ、その結果が出た瞬間、党大会の空気は、通過儀礼が終わった、という安堵感のような不思議な空気に包まれる。全く理解できない、緊張感のない雰囲気である。

 

     首相と戦って敗れた候補者(或いは候補者達)は、権力を互いに争ったのだから、政治家としての全情熱と政治生命を賭けた敗者としての身の処し方が当然ある筈である。このことは、敗者を推した総ての投票者にとって当て嵌まる。その結果は、特に国会議員にとって、政治家としての岐路に立たされる深刻な事態であるはずだ

 

     しかし、実情は、私の考える「本来の姿」からは、全く違う道筋を選択し、勝利者も、敗者も、党の空気も一変する。(中略)いわゆる「挙党一致」の空気が当然のことのように、勝利者も、挑戦した敗者をも呑み込んでしまう。

 

     この結果を予め想定して、自分自身が権力に近づく手段として、党大会での代表選挙を位置付ける、典型的な野心家の政党人の生き方を、私は、そこに見る

 

     事実上、猟官運動擬きの蠢きが開始される。そうして、敗者が、政治理念も政策も異なる筈の勝者から、党の要職か、閣僚のポストを与えられる、という仕掛けである。これは挙党一致でもなんでもない、茶番劇である。

 

     政権政党が、甘っちょろい党内の陳腐な就職運動劇をしている余裕は、断じてない。

 

     日本の進む方向や、広い視野を持った、総合政策のプランを語れる人材は、寡聞にして知らない。いま、そのことこそが求められている。

 

…これは別に西岡氏が菅首相を支持しているということではなく、あまり物事を安易に考えていて、言葉の軽い党内の空気や、また、それを煽っているようにも見えるマスコミ報道を批判しているのでしょうね。権力闘争というものを、あまりに軽くとらえ、覚悟もないままもてあそんでいないかと。

 

また、菅氏自身、これまで代表選が終わると「ノーサイドだ」という言葉を繰り返してきましたから。

 

 西岡氏は、旧自由党時代は小沢氏と行動をともにした人物でもありますが、今回の発言は、小沢氏や、その威を借る取り巻きたちへの痛烈な一撃にもなっています。「語れる人材は、寡聞にして知らない」というのは、当然、長く付き合ってきた小沢氏も含めてでしょうし。

 

 昨日は、この西岡氏の発言の後に鳩山由紀夫前首相がBSフジの番組に出演し、「ガチでやったら決して国民のためにならない。小沢、菅の両氏は2人とも(個性が?)強すぎる。そこで優しい私が仲介に入る」「自分は自分として、いい政策を作り上げてきているという自負はあった。友愛が旬の思想になってきている」と述べました。

 

この一言を聞いて、私は、本当に鳩山氏が首相を辞めてくれてよかった、と心の底から思いました。まったくろくでもない、自己愛ばかりが肥大したどうしようもない脳天気で自分勝手な人物だと再確認した次第です。

 

こんな人に代表選で支持する条件を突きつけられながら、「どうすればいい?」と電話する菅氏も菅氏だし、こんな人がいまだに発言権と影響力を持つ民主党もなんだかなあ、ですね。だいたい、政治とカネの問題で引責辞任した人物が、それから2カ月しか立たないのに、何をこんなに偉そうに振るっているのか。この人の勘違いは一生治らないと知りつつも、腹立たしい限りです。

 

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菅首相の寒いジョーク(?)と誰がマシかについて

2010/08/21 11:13

 

 

 菅直人首相は、ある外交官に言わせると、「外交・安全保障問題に関心も自信もない」とのことです。それで、その手の案件は基本的に仙谷由人官房長官に丸投げしており、仙谷氏が仕切っているというのが実情のようです。確かに、日韓間、そして周辺諸国との間の新たな波乱材料となりそうな菅首相談話にしても、首相自身のリーダーシップや思い入れで進めたというよりも、仙谷氏や鳩山由紀夫前首相の主導で進められたのが明白ですね。

 

そこで本日は、少し長くなりますが、菅首相の安保認識の一端を示すであろう事例を紹介したいと思います。新聞各紙はすでに取り上げていますが、ここでは、あるがままを判断してもらうため言葉の省略なしに、そのままお伝えします。

 

ちょっと以前のことですが、今月2日の衆院予算委員会で、菅首相と自民党の石破茂政調会長との間で、次のような質疑がありました。

 

石破氏 どうやって国益を確保するか。軍事による国益の確保。これが有効に機能するためには、一つは最高指揮官たる総理大臣が安全保障について正確な知識を持つこと。もう一つは専門家である制服の意見を虚心坦懐に聞くことです。これが無ければ有効な文民統制は機能しえない。

普天間問題を尋ねるが、何でこんなんに迷走したのか。鳩山前総理が、統合幕僚長、航空幕僚長それぞれすぐれた見識を持った自衛官から何度、直接話を聞いたのか。現在の状況について。なぜ沖縄に海兵隊が必要かについて何度、意見を聴取したか。総理の日誌を見る限り無かった。菅さんが就任以来相当な日がたっている。防衛大臣を通じてではなくて、自衛隊の最高指揮官として今まで何回制服組から意見を聞いたか

菅首相 普天間の問題については、政権のこういう総理という立場になったときに、最も今取り組まなければならない最重要課題の最上位に近い一つという認識を持ちました。そこでまずはそれまでの経緯を直接にも聞こうということで、もちろん防衛大臣、外務大臣はもとよりですが、その元のいわゆる防衛省外務省のスタッフから何度か話を聞き、また官房の方からもいろいろな形でみなさんとの状況把握につとめました。また、沖縄の関係者についてもまだまだごく限られた中ではありますが話を聞きました。

自衛隊幹部との会話はいろいろな防衛大綱の問題とかそういう会議の席では同席はしているが、まだ個別の沖縄のことについて、話を聞くという機会はまだ設けておりません。順番にそういう話をする中で、今の石破議員の話もありますので、機会をみつけて話を聞きたいと思っています。

 

石破氏 一度も聞いていないのはよく分かりました。総理、自衛隊の最高指揮官として直接意見を聞く機会はもっと設けるべきです。きちんとそれを聞いていれば普天間問題はこんなに迷走したはずがありません。彼ら命をかけて平和と安全を守っている。日米同盟は日米だけのものではありません。極東の平和と安定、それを目的とされている。命をかけて日米同盟を遂行している米軍の能力がどうであり、あるいは他の能力がどうであり、そのことを命をかけて一番知っているのは自衛官じゃないですか。この国において(首相と制服自衛官との会話が)行われないのは極めておかしい。直接聞く機会を設けるのは是非お願いしたい。もう一度。

 

菅氏 そういう機会はできるだけ早い段階で設けたいと思います。》

 

 参院選敗北後はひたすら低姿勢となり、予算委でも怖い先生(石破氏)から指導を受けているように神妙な面持ちだった菅首相はそれから17日後、実際に統合・陸海空4幕僚長と首相官邸で初めて意見交換の場を持ちました。こんなの、わざわざメディアのカメラを入れて仰々しくやる性質のものではなく、日常的にさりげなくやればいいのにとも感じましたが、まあ、とにかくやらないよりはマシです。

 

 ただ、このときの菅首相の言葉にはだれもが絶句していました。まずは、意見交換会の冒頭あいさつ前に、菅首相と北沢俊美防衛相が交わした脳天気でピント外れな会話を聞いて、周囲に動揺が走りました。この国は大丈夫だろうかと…。

 

菅首相 大臣だけが背広組で、寂しそうですね。

 

北沢氏 夏休みとらせてもらって、今日復帰したんです。

 

菅首相 そういう意味ではなくて、制服を着ている…

 

北沢氏 お互い元帥だけど、制服作ってくれない。

 

菅首相 昨日、事前にですね。予習をしましたらね。あの、大臣は自衛官じゃないんだそうです。制服はしなくても上なんですよね。

 

北沢氏 この皆さん(各幕長等)も退任するときは(制服を)返していく。それで後の人が着るかと思えば、そうじゃない廃棄するから。人生の一番の記念品だからなあ。あげりゃあいいと思うんだけど。

 

菅首相 大臣いいんですか?(挨拶をする順)まず大臣が。

 

北沢氏 いえいえ総理からじゃないですか?》

 

 背筋が寒くなるような菅首相による「怪談」話はまだ続きました。あいさつに立った菅氏は、今度はこんなことを述べました。マキャベリは、君主が最優先で考えなければいけない問題は「軍事」だという趣旨のことを書いていますが…。

 

菅首相 本日は自衛隊、特にいわゆる制服組の幹部の皆さんにこうして、来ていただいてありがとうございます。まず日頃からアデン湾の海賊対策とかハイチの緊急援助とか、さらには宮崎県の口蹄疫などにおいてもそれぞれの陸海空それぞれが大変頑張っていただいていることを私からも感謝を申し上げます。

まあ日頃から、大臣や比較的制服ではない背広組の皆さんとの会話は多少あるんですが、制服組の皆さんとは、観艦式とか、いろいろなセレモニーではご一緒するんですが、なかなかあの、お話をお聞きする、あるは意見交換をするという機会が少ないということもありまして、私もそういう指摘も国会の中で聞かれたもんですから、是非直接のご意見を聞かせてもらいたいと言うことで今日はお集まりいただきました。

いずれにしても、我が国の国民の平和のために働いてくれる自衛隊の役目は、ますます大きな役目を果たしていかなければいけないと言うことで、私も改めて法律を調べてみましたら、総理大臣は内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有するというふうにされております。そういう自覚を持って、皆さん方のご意見もしっかりと拝聴しながら今後のそういう仕組みを果たす役目を担っていきたいと考えておりますので、今日は忌憚のない話しを聞かせていただきたいと、そのことをお願いしてあいさつとします。よろしくお願いします。》

 

ここから実際に、菅首相と4幕僚長との間でどんな意見交換がなされたかは分かりません。1時間ちょっとの意見交換会後、折木統合幕僚長分は記者団に次のように語りました。

 《記者 総理の方からはどのような。

 

折木氏 こういう機会をいただいて、我々としても、大変意義のある時間を過ごすことができました。自衛隊に対する色んな意見を交換することができましたし、またご指導をいただきました。内容については、色んな個別的なことになりますので控えさせていただきたいと思いってますけども、非常に充実した時間だったというふうに思っています。

 

記者 総理が一番関心を持って聞かれたことは。

 

折木氏 そこのところも、全般色々ございまして、コメントを差し控えさせていただきたいと思っております。

 

記者 統幕長の方から概算要求のこととかは。

 

折木氏 特定のこととかではなくてですね、時間も1時間という時間だったんですけども、色んなお話しをさせていただきましたので、そういう概算要求とか特定の話だけではなくて、色々とお話をさせていただいたということでご理解願いたいと思います。

 

記者 繰り返しになりますが、今回民主党政権になってはじめて、こういう場を持たれたことの意義については。

 

折木氏 民主党政権下というよりも、我々の最高指揮官でございますので、そういう意味で時間をいただいて、意見交換できたというのは非常に意義のあることだという風に思ってます。大変、ありがたいことだと思ってます。

 

記者 総理が冒頭、大臣は自衛官じゃないと昨日初めて知ったとか、率直な発言があったが、総理の自衛隊あるいは文民統制のご認識というものは、今日意見交換されて…。

 

折木氏 いや、あれは、本当に冗談の話だと思いますので。非常にそういう指揮官としての立場というのは十分ご自覚されているうえでのお話しだと私は認識しております。

 

記者 総理からまたこういう機会を求めたいというような話は。

 

折木氏 また、必要に応じて、こういう機会を設けていただければというふうに、私の方は思っておりますが。

 

記者 パキスタンへの派遣の話は懇談ででましたでしょうか。

 

折木氏 ええ、一部ございました。それは大臣の方からお話があると思います。大臣の方でされていると思います。》

 

 さて、折木統幕帳は「冗談だと思う」とフォローしていましたが、どうなんでしょうね。ジョークにしては、あまりに切れがないというか、誰もウケないどころか相手を青ざめさせるだけで無意味というか。これについて、意見交換会の発端となった石破氏は20日のブログで、こう書いていました。

 

《菅総理が四幕僚長と初めての会合を持ち、新聞によれば「石破の提言を受け入れ、野党に一定の配慮を見せた」ことになっています。

こんな会合は実にあたりまえのことで、野党に一定の配慮とかそういう性質の問題ではありません。定期的に開くべきですし、総理は常に制服組の意見を真摯に聞くマインドを持つべきです。

そもそも防衛局長、事務次官、大臣の了承がなければ制服トップが総理に会うこともできないこと自体がおかしい。それでは伝達が遅くなるし、生の情報が伝わりません。「軍の暴走」が不安なのであれば彼らも同席し、見解が異なるのであればそれを述べればいいだけの話です。

それにしても、総理が「昨日勉強してみて、防衛大臣は自衛官ではないこと、内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮官であることが法で定められていることを知った」と発言したというのは、会合後折木統合幕僚長がコメントしていたように「単なる冗談」であったと信じたいものです。もしそうでないとしたら!!!・・・絶句するしかありません。

それでもきちんと会っただけ、鳩山前総理よりは遥かにマシで、誠実だと評価します。》

 

 確かに私も、菅首相就任時、「現実主義者」を自認しているぐらいだから、現実と変に遊離した「ルーピー」と呼ばれた人物よりはマシだろうと予想していたのですが、最近は同僚たちからも「どっちもどっちなのでは」という声をよく聞きます。4幕僚長と会ったのだって、参院選に勝っていたら、石破氏の言葉なんて歯牙にもかけなかっただろうし。

 

 かといって、「起訴される可能性がある方が代表、首相になることに違和感を感じている」(岡田克也外相)というのもまさしくその通りだしねえ。有権者の投じた1票の重みが、どっしりとのしかかってきています。

 

 小沢一郎氏が首相になったら日本はどうなるか。周囲にも「怖いもの見たさ」で一度やらせてみたいという人や、その方がいっそすっきりするという人はけっこういますが、私はやはり強い抵抗感を覚えます。それこそ冗談じゃない、と。それに、そうなると私は迷惑防止条例違反か何かで逮捕でもされるんじゃないかと、そんな心配も…。

 

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インドネシアで見聞きしたことと古い資料について

2010/08/19 10:01

 

 

 今朝、少し時間があったので自宅で古い取材ノート(取材メモの類は、万一裁判になった際の証拠となるので、私は原則捨てません)をひっくり返していたところ、平成8年にインドネシアで慰安婦問題を取材した際の資料が出てきました。

 

 これは、産経紙面やこのブログでも何度か取り上げたことがある仙谷由人官房長官の「友人」にして、戦後補償の仕掛け人とも呼ばれるいわゆる人権派弁護士、高木健一弁護士にあてられた書簡で、差出人はインドネシアの元兵補中央協議会のタスリップ・ラハルジョ会長です。

 

 兵補とは、かつて日本軍政時代に補助兵として採用されたインドネシアの人たちで、もともと日本政府に未払い賃金の支払いを求めていました。それが、平成7年ごろから直接関係のない元慰安婦の賠償要求のため、元慰安婦の登録作業を始めたのです。

 

 この問題に関しては、以前のエントリと内容が重なる部分がありますが、せっかくなので、本日は重複を避けずに記すこととします。なぜ、兵補協議会が慰安婦の登録作業を開始したのか。平成8年11月、ジャカルタ郊外の事務所で取材に応じたラハルジョ会長はこう語りました。

 

 「東京の高木弁護士から『インドネシアで慰安婦登録するために、兵補協議会に権限を委譲する』と指示を受けて始めた。『早く登録を完成してくれ』と催促も受けた。(兵補協議会が実施した登録者対象のアンケートは)高木弁護士の文案で作成された」

 

 余談ですが、この事務所の近くの林(?)内で見たおそらくアラブ系の十代と思える少女の伸びやかな様子と笑顔がとても印象に残っています。インドネシアはイスラムの戒律が割とゆるいためか、まだ本当に幼いせいか宗教が違うのかチャドル姿ではなく、どこか日本のセーラー服に似た装いでした(別にセーラー服好きではありません、念のため)。

 

 高木氏に関しては、やはり最近、紙面やブログでサハリンでの残留韓国人支援問題での暗躍を取り上げてきましたから、それも参照にしていただければ幸いです。ともあれ、平成8年にインドネシアで取材した元日本兵で先の大戦終結後はインドネシアに残り、独立戦争に加わった石井サトリア氏はこんな経緯をこう指摘しました。

 

 「慰安婦問題が浮上したのは三年前、日本から三人の弁護士が来て地元紙に広告を出し、慰安婦補償のために日本から来たので面接したい。名乗り出てくださいと告知したからだ」

 

 また、ラハルジョ会長は高木氏らの提案に乗ってはみたものの、思うように効果が出てこないので最近は高木氏に不満を漏らしているという趣旨のことも述べていました。で、下の写真が私の取材の約1カ月後の平成8年11月20日付で、ラハルジョ会長が高木氏に送った書簡です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 インドネシア語で書かれているため、私には読めませんが、情報を提供してくれた関係者によると、「慰安婦問題が日イ間で不穏な状態になっても兵補協議会は責任を取らない。問題を提起したのはあなた方からだ」という意味合いのことも述べられていると聞きました。読める方は判読してみてください。

 

 ちなみに、兵補協議会は2万人以上の元慰安婦を名乗る登録者を集めましたが、当時83歳でその時代のことをよく知るインドネシアの元国会議員で老舗英字紙「インドネシア・タイムズ」のジャマル・アリ会長はこう一蹴しました。

 

 「2万人?ばかばかしい。1人の兵隊に1人の慰安婦がいたというのか。我々の独立のために犠牲になった人(元日本兵)もたくさんいたんだ。独立戦争の際に武器を求めたら、日本は武器も渡してくれた。いま金をくれという必要はない。そんなこと、(インドネシアを400年植民地支配した)オランダにだって言わない。プライドの問題がある」

 

 もちろん、このアリ氏のような見方・考え方がすべてではありませんし、ラハルジョ氏のような立場も、また全然異なった意見だってあるでしょう。でも、どこかの国や民族を、一方的に日本の被害者であり、支援しなければならない可哀想な人たちだと決めつけるのは、実は相手を貶め、バカにしているにすぎないと愚考します。

 

 また、歴史問題に限らず、個人間でも国家間でも、物事には「完全な解決」などありえないとも考えています。ある事象をどう受け止め、解釈するかはそれぞれの自由であり、また知識・見識の多寡によっても変わるものだから、完全な歩み寄りは一方の従属をしか意味しないだろうと。

 

 であれば、いちいちすべてを解決しようと焦るよりも、持病と向き合うときのように、一定の困難や障害は抱えつつも、それを覚悟し、うまく付き合っていけばいいだけではないかと思うのです。もちろん、こうした私の視点に同調しろという気もありません。

 

 私は、一つひとつのことをいちいち定義付けたり、白黒つけたりすることにあまり意味を見いだせません。いろいろな「あいまい」なものを抱え、混沌の中で見つめつつ、それがいつか頭の中で発酵なり昇華なりして一つの考えにまとまればいいとは思います。第一、その場その場で即断できるような頭の回転速度は持っていませんし。

 

 ただし、ここは私のブログなので、こうして見聞したことや入手した資料を示しつつ、感想程度のことを付け加えるのは、どうかお許しいただきたいと思います。それもダメであるならば、こんなことやっていられないという気がいま率直にしています。

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靖国で見つけた写真と国民意識との乖離と休みぼけ

2010/08/15 13:58

 

 

 本日は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」ということで、朝から靖国神社に行ってきました。もう十何年も毎年この日には九段の坂を上り、大鳥居をくぐっているのですが、その年々でいつも雰囲気が違うのを感じます。

 

 小泉元首相の「6度目の正直」の15日参拝による熱狂、その後の首相不参拝によるどこか寂しい空気、いわゆるA級戦犯分祀問題や国立追悼施設建設問題などときの話題に対する反応…などが、参拝客の様子や神社界隈などで配られるビラの類にそのまま反映されるからです。

 

 で、今年はというと、やはり「菅談話」を出し、閣僚が一人も参拝しない民主党政権への批判や憤りが噴出していました。神社の境内の地面には、誰が貼り付けたのか、こんなものまでありました。

 

   

 

 まあ、韓国をはじめ周辺諸国に「配慮」するばかりで、実際の事実関係には頓着せず、国民の気持ちや感情などはほとんど考慮しないように見える菅内閣ですから、こんなものも出てくるんだろうなと変に納得させられもしたのです。菅内閣への怒りや不満もたまっているだろうと…。

 

 ところが、参拝と取材を終え、職場に戻って本日公表のフジテレビ新報道2001の世論調査結果を見て驚きました。内閣支持率は45.4%と前回(先週)調査より4.4ポイント上がっており、参院選直後の35.0%からは10ポイント以上の上昇ぶりだというのです。

 

 もともと私は「ズレた」人間なので仕方がありませんが、国民がいま菅内閣の何を評価しているのか分かりません。まあ、私は国民意識をくみ取らなくてはならない政治家ではなく、ただのサラリーマン記者なので、国民の多数派がどう思おうと、自分が大事だと感じることを書いていくだけですが…。

 

 にしても、菅内閣って、何か国民のためになるようなことをやりましたっけ?1週間休暇をとって休みぼけしたせいか、何も思い当たることがないのですが。誰か教えてください。

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