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飯島元首相秘書官に聞く政治の現在

2011/11/23 08:05

 

 

 先日、ある件について小泉純一郎首相の政務秘書官を務めた飯島勲氏(松本歯科大特任教授・駒沢女史大客員教授)にインタビューする機会がありました。その中で、いろいろな話を聞いたのですが、紙面で紹介できるのは一部に過ぎないので、飯島氏の諒解を得てこぼれそうな部分をここで掲載することにしました。

 

 といっても、全文をそのまま書くのは時間と労力が多くかかるので、ものぐさな私は要旨、または箇条書きのようなもので誤魔化そうと思います。それでも、趣旨への賛否はともかく小泉政権を支えた飯島氏の視点の一部はうかがえるかと。

 

 【東日本大震災のがれき処理】 いろんな閣僚が現地に次々と入ったが、何をしているのか。阪神淡路大震災のときは1450万トンのがれきを計画通り5カ月で処理した。今回の場合は3つの県にまたがり、放射能の問題もあり条件は違うが、動きが遅すぎる。

 こういうとき、政(まつりごと)は、誰かが悪役になり、一気に進めなくてはならない。どんな政策でも反対、賛成は出る。どうやって決断するかであり、まずは即座に捨て場を決めるべきだ。それを国が決められないのなら、何のために閣僚が現地に行ったのか。

 復旧・復興の復旧は本来、政治家、政務三役に関係なく進められる。現に今回も、国土交通省農水省も復旧に向けて素早く動いた。しかし、復興はそうはいかない。現在のこれが政治か?話にならない。

 

     

 

 【原子力安全・保安院の分離】 保安院の経産省資源エネルギー庁からの分離が先行するのは疑問だ。本来、放射能に汚染された建物、土壌、樹木などは触ってはならないというのが国際ルールであり、それを処理するのは経産省エネ庁・保安院の仕事だ。予算もその管轄として取るべきだろう。ところが、保安院分離が先行すれば、その責任は他省庁に投げることができる。分離は処理が終了してからの話だ。野田政権は政策仕分けをするのなら、こういう問題のはっきりしない責任の所在を仕分けすべきだ。 

 

 

     

 

 【スクラップアンドビルト】 情けないのは、民主党政権の官邸・政府にはスクラップアンドビルトという言葉がないことだ。ふつう、政府が一つの審議会など会議をつくるときは、それに合わせて一つ減らすものだ。ところが、鳩山内閣も菅内閣も会議や委員会を整理せずにつくり続けた。

 その結果、それにぶらさがる(事務方の)官僚の分も含めて、官邸の通行証が小泉内閣時代の30倍ぐらい発行されている(※注 これはセキュリティーも何も…)。もはや誰が主人公だか責任者だか分からない。

 

 【TPPでの米との食い違い】 TPP交渉参加の対象が全品目・分野かどうかで野田首相とオバマ大統領との会談での発言内容への認識が日米双方で食い違うということがあったが、あれは、外務省が国内でのブリーフ用のペーパーを米側に渡したのが原因ではないかと思う。(※注 確かに、経産省が「全品目・分野とする用意がある」という想定問答集を作っていたことが報じられていましたね)

 小泉内閣のときのBSE(牛海面状脳症)問題の際にも同じことがあった。想像だが、外務省が今回、国内の官邸とのやりとりなどを米側に伝えた結果だろう。誰も野田首相も守ろうという人はいないのだ。

 

     

 

 【ぶらさがり取材】 野田首相が記者団のぶらさがり取材に応じないのだって、(側近の)手塚首相補佐官が「報道官」になりたいからだ。国民、マスコミ向けに首相の考えをなぜ発信できないのか。ぶらじゃなくたっていいが、発信しないのはだめだ。

 野田首相も含め、最近の首相はぶらを難しく考えすぎだ。だから、秘書官ら想定問答集をつくらせ、疲れる、大変だと緊張しているがおかしい。小泉首相のときは、広報担当秘書官が記者たちから事前に何を質問するのか聞いてはいたが、私はそれを小泉首相に伝えさせなかった。だから率直に「知らない」「それは任せてある」と答える。それを丸投げと批判されたこともあったが、首相の素の姿を国民に見せることは大事だ。みんなちょっと、ぶらさがり取材を誤解している。

 

 【政治主導】 政治主導というがみんなバラバラだ。自民党もかつて「自分党」と揶揄されたが、それ以上だろう。野田政権になって少し修正されているが、間違った形での官僚排除がすぎた。

 政治主導を強調したがる政治家は、どうも官僚コンプレックスがあるのだろう。だから、古川国家戦略担当相は、局長級の官僚は怖くて避けている。副大臣経験があるから大丈夫だと官僚のレクチャーを聞かず、不規則発言が続いた小宮山厚生労働相は最近、反省したらしく、先日、局長全部を呼んで「私を支えてください」と言った。中川文科相も、副大臣経験があるから…という態度が見えて危ない。

 

 【TPP対応】 この前、農水事務次官経験者ら6人ぐらいを集めて会合を持った。すると彼らは「鹿野農水相には『じっとしていろ』と命じられました」という。これではダメだ。TPPに反対でも賛成でもいいが、ちゃんと裏の交渉を進める度量がなかったらどうなるのだ。

 官僚は道具として使いこなさなくてはならない。そのためには、人事で報いることも必要だ。小泉内閣時代のBSE問題の際には、直接責任があったわけではない逸材と言われた事務次官のクビを切り、食糧庁を廃止した。だが、その後に外務省と交渉して、この次官農水省から第1号のチェコ大使にした。

 

 【野田政権】 肝心の自民、公明に受け皿的なものができていない今の状況をみると、政権再交代しても五十歩百歩なら長期政権目指して頑張ってほしい。野田政権ではダメだというのなら、国民が認知できる受けざるが必要だ。

 

 ……まあ、あくまで聞いた話の一部ですし、私と別に同じ考えでもありません。これは飯島氏の「主張」「言い分」ではありますが、久しぶりに彼の話を聞いていて実に面白かったのも本当です。取材相手から「興味深いなあ」とか「刺激を受けるなあ」という話を聞く機会があると、この仕事も悪くないかなと少しだけ感じるのでありました。

 

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外国人参政権で「民公社」が悪夢のコラボ!?

2011/11/18 17:49

 

 

     

 

 霞が関の官庁街や国会の周囲では現在、このようにブータンの国旗が日本の国旗とともに掲げられています。なにやら心和む、ほっとするような光景……ではあるのですが、今回は別の国と関係するエントリとなります。

 

 というのは、本日はホテル・ニューオータニで、在日本大韓民国民団の創団65周年記念式典が開催され、そこに来賓として訪れた政治家たちの言葉を取材してきたからです。会場入り口には、以下のようなパネル写真が展示されていました。民団の歴史をたどるのに、どうしてこんな写真が必要なのか。心安まりません。

 

     

 

 さらに、でました参政権! この永住外国人への地方参政権付与問題に関する私の考え方・スタンスについては、過去のエントリで馬に喰わせるほど書いてきたのであえて繰り返しません。ただ、帰化が進むことによって先細りとなってきた民団の内部事情から始まったとされるこの運動が、ここまで拡大したのは、日本の政治家がそれぞれの思惑からそれをちやほやしたり、利用したりしてきたからでしょうね。

    

     

 

 この日も、民主党の赤松広隆元農水相や江田五月前法相や公明党の太田昭宏元代表らの姿を会場で確認しました。自民党議員は私が気づかなかったのか来ていなかったのか、見つけることはできませんでした。

 

     

 

 で、久しぶりに登場したのが世界中に「ルーピー」として知れ渡った著名人、鳩山由紀夫元首相です。登壇した鳩山氏は冒頭、「アンニョンハシムニカ」と韓国語であいさつし、参政権問題についてまたいらんこと、わけのわからんことを述べていました。(※以下、政治家のあいさつは私がメモできた範囲なので全文ではありません。)

 

     

 

 鳩山氏 「皆様方が常に韓国民である誇りを持って頑張ってこられ、今日の地位を築いてこられたことに心から敬意と感謝を申し上げます。

 私は短い期間ではありましたが、首相在任中に李明博大統領と何度も話をさせていただき、日韓関係を前進させていくことができたことが、私の政治人生で最も大きな喜びです。

 李大統領には、「お前ではなく奥さんの功績だ」と言われていまして、女房とキムチのおかげだと感謝している。

 多くの日本人は韓国が大好きで、そして韓国人が大好きです。もっともっと仲良くなっていきたいというのが私たち日本人の真実の姿だ。

 やはり、永住外国人、特に韓国人の地方参政権を早く認めるようにと、これは当たり前の願いだと思います。

 時間がかかっていることは申し訳なく思っているが、私ども政治の立場から答えていかなければならない。民主党も最善の努力を申し上げ、できる限り来年の通常国会がんばりましょう、みなさんの気持ちがようやく届いたねとなるように、民主党、お約束したい。」

 

 ……鳩山氏は今年1月の民団新年会でも「皆様方の悲願である地方参政権の付与に関して、大きな道を開く年にしていこうではありませんか。そのための努力を行う1年にしてまいりたい」と述べていました。それが今度は、来年の通常国会での法案成立を約束したいと言い出したわけです。

 

 いかに万人が認めるルーピーとは言え元首相、元民主党代表の言葉ですから影響力は無視はできません。ホント、はた迷惑きわまりない存在です。記念式典では早速、公明党の山口那津夫代表がこれに呼応するあいさつをしました。

 

 山口氏 「永住外国人の法的地位の向上、とりわけ参政権については公明党は一貫して推進を図ってきた。しかし、公明党単独では実現できない。

 鳩山元首相から心強い話があった。是非とも民主党あげて合意を固め、国会に提出していただければ我々は喜んで成立に努力する」

 

 ……在日韓国人の中にも創価学会員は少なくありませんし、公明党が新たな票田として期待しているのは分かりますが、なんとも節操がありませんねえ。で、ここでさらに社民党の福島瑞穂党首が参戦しました。

 

 福島氏 「(在日韓国人に)日本において地方参政権がないことを本当におかしいと思っている。民主党公明党社民党が協力すれば、国会で、衆参でこの法案が通ります。

 (在日韓国人が)来年の韓国の国会議員選挙も大統領選も日本の選挙にも投票できる社会を目指したい」

 

 ……在日韓国人は韓国の国政選挙での投票権を持っており、現に本日の式典でも会場では在外投票の呼びかけが行われていたのですが、本国でも日本でも投票できるとなれば、これはもう「特権」と言えますね。福島氏はそれを目指すと。

 

 そして、少なくともこの会場では、民主、公明、社民の3党は見事に一致、協力をうたいあげたわけです。今のところ、野田佳彦首相は「私は参政権付与に慎重な立場だ」(15日の参院予算委員会)としていますし、ただちに政治日程に上ってくる状況にはありませんが、今後の行方は予断は許しません。やれやれ。

 

 それにしても、鳩山氏の話を聞いていると、相変わらず「この人、自分が何をしゃべっているのか分かって言っているのか」と真剣に悩みます。まあご本人は、そうした周囲の困惑や憂鬱は気にもとめず、思ったままのことを正しいと信じて口にしているのでしょうね。困ったものです。次の首相はさらに思い出したくもありませんが。

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一川防衛相の振る舞いとブータン国王と野田首相と…

2011/11/17 16:31

 

 

自称・安全保障は素人大臣こと一川保夫防衛相が16日夜、民主党の高橋千秋参院議員の政治資金パーティーへの参加を優先し、ブータンのジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王夫妻を歓迎する宮中晩餐会に欠席していたことが17日の参院予算委員会での自民党の宇都隆史氏の質問で取り上げられました。

一川氏は一応、「軽率だった。申し訳なく思い、反省している」と陳謝したわけですが、いかにも言葉だけですね。このパーティーでの一川氏の発言を、坂本一之記者がメモで送ってくれたので紹介します。

 「実は今日は大事なブータンの国王が日本に来ておられて、それが今宮中で催し物があるんですけれども、他の大臣はみんなそちら行きましたけども、私はこちらの方が大事だと…(拍手)

 

 拍手をするパーティーの客たちもどうかと思いますが、国賓を招いての宮中晩餐会に国務大臣として正式に呼ばれているにもかかわらず、同僚のパーティーの方が優先だというわけです(本人は晩餐会へはもともと欠席の通知は出していたと言っていますが)。そして、わざわざ口に出さなければいいことを、堂々と得意げに語ってしまう…ため息が出るばかりです。

 

 繰り返し書いていることなのですが、どうしてこう民主党議員は常識がないというか世間知らずというか、最低限のマナーや儀礼を守る気持ちが薄いというか規範意識が弱いというか、言わずもがなの一言が多いというか、内向きで外交・安保に疎いというか、とにかく失礼ですね。

 

 で、一方のワンチュク国王はというと、きょうの衆院本会議で以下のような立派な演説をされました。あまりにも日本と日本人を礼賛する内容なので、今回の一川氏の振る舞いと比べて赤面してしまいそうです。

 

《皆様が復興に向けて歩まれる中、われわれブータン人は、みなさまとともにあります。われわれの物質的な支援は、つましいものだが、われわれの友情、連帯、思いやりは、心からの真実味のあるものです。われわれブータンに暮らす者は、常に日本国民を親愛なる兄弟、姉妹であると考えてまいりました。両国民を結びつけるものは、家族、誠実さ、そして名誉を守り、個人の欲望よりも、地域社会や国家の望みを優先し、また自己よりも公益を高く位置づける気持ちであります。

 2011年は両国国交25周年の特別な年。しかし、ブータン国民は常に公式な関係を超えた特別な愛着を日本に抱いてまいりました。私は我が父とその世代の者が、何十年も前から日本がアジアの近代化を導くのを誇らしく見ていたのを知っています。すなわち、日本は開発途上だったアジアに進むべき自覚をもたらし、日本の後に続いて、世界経済の最前線に踊り出た数多くの国々に希望を与えてきました。日本は過去にも現代もリーダーであり続けます。このグローバル化した世界で、技術と革新の力、勤勉さと責任、強固な伝統的価値の模範であり、これまで以上にリーダーにふさわしいのです。

世界は常に日本のことを、大変な名誉と誇り、歴史に裏打ちされた誇り高き伝統を持つ、不屈の精神、断固たる決意、そして何事にも取り組む国民、知行合一、ゆるぎない強さと気丈さを合わせ持つ国民であると認識してまいりました。これは神話ではなく、現実であると申し上げたい。

 近年の不幸な経済不況、3月の自然災害への対応にも示されている。みなさま、日本、日本国民の資質を示された。他の国であれば、国家をうちのめし、打ち砕き、秩序、大混乱、悲嘆をもたらしたであろう事態に日本国民のみなさんは最悪の状況下でさえ、静かな尊厳、自信、規律、心の強さを持って対処された。文化、伝統、価値にしっかりと根付いたこのような卓越した資質の組み合わせは、われわれの現代の世界で他に見いだすことは不可能です。すべての国がそうありたいと切望しますが、日本人特有のものであり、このような価値観や資質は、昨日生まれたものではなく、何世紀も歴史から生まれてきたものなのです。それは数年、数十年で失われることはありません。

 そうした力を備えた日本にはすばらしい未来が待っていることでしょう。日本は歴史を通じてあらゆる逆境から繰り返し立ち直り、世界で最も成功した国のひとつとして地位を築いてきました。さらに注目するべきは、日本がためらうことなく、世界中の人々と自国の成功をわかちあってきたことです。私はすべてのブータン人にかわり、心からお話しています。世界は日本から大きな恩恵を受けるであろう。偉大な決断、静かな尊厳と謙虚さを兼ね備えた日本国民。ブータンはみなさんを応援し、支持してまいります。ブータンは国連安全保障理事会の議席拡大の必要性だけでなく、日本がその中で主導的や役割を果たさないといけないと考えております。

 ブータンの成長と開発における日本の役割は特別なものです。日本から貴重な援助だけでなく、励ましもいただいてきました。日本国民の寛大さ、より次元の高い自然の絆、精神的な絆でブータンは常に日本の友人であり続けます。日本はブータンではもっとも重要な開発パートナーだ。感謝の意を伝えられることができて大変うれしい。両国民の間の絆をより強め、不断の努力を行うことを誓います。

 改めて、ここで、ブータン国民から日本の皆様へ祈りと祝福を伝えます。列席のみなさま、簡単ではありますが、私どもの国の言葉で話したいと思います…(しばし通訳ストップ)…。今、私は祈りを捧げました。小さな祈りですが。日本、日本国民が常に平和と安定、調和、これからも繁栄を享受されますように。今日はありがとうございました(盛大な拍手)(了)》

 

 果たして、ブータン国王にこのようにほめていただくような我が国であるのか、また、国会議員たちは顔を赤らめずにこれらの言葉を聴く資格があるのかと、しばし考え込んでしまいますね。一川氏には猛省を促したいところです。

 

 あと余談ですが、先日、千葉総局に勤務したことのある他部の同僚記者から聞いた話です。彼は県議時代の野田佳彦首相を取材の関係で知っているのですが、そのころ野田首相は同僚にこう語っていたそうです。

 

 「僕も学生時代は新聞記者になりたかったんですよ。(産経ではなく)朝日新聞のですけどね、ウフフ…」

 

 なんとなく、少しだけ野田首相という人物が分かったような気になるエピソードでした。野田首相は、国会で「秘書官がマルチ会員、叔母がマルチ企業のトップリーダー」と暴露された山岡賢次国家公安委員長・消費者担当相についていまだに「適材適所」と言っていますから、一川氏にも同じことを言うのでしょうね。

 

 まあ、世の中いろいろ、人生いろいろですからね。

 

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最近読んだ本について・一知半解編

2011/11/13 08:37

 

 

  きょうは新聞休刊日であり、かつ読書の秋でもあるので、約40日ぶりに読書エントリとします。不思議なもので、いくら書店をめぐっても読みたい本、続きを待っているシリーズものに出会わない時期もあれば、あれよあれよと読み切れないほど、待望の本が連続して、あるいは同時に発売されることもあります。最近は後者であり、嬉しい悲鳴をあげています。

 

 本日紹介する1冊目は、昨年1月に急逝した北森鴻氏の異端の民俗学者の活躍を描いた「蓮丈那智フィールドワーク」の第4作「邪馬台」(新潮社、☆☆☆☆)です。といっても、北森氏はこの作品を未完のまま亡くなったので、婚約者で作家の浅野里沙子氏と担当編集者が北森氏の創作ノートをもとに「彼だったら…」と想像、話し合いながら完成させたものです。

 

     

 

 とはいえ、北森作品をけっこうたくさん読んでいるはずの私は、文体、ユーモアを含めてどこからが浅野氏の手によるものなのか分かりませんでした。北森氏の他の作品の登場人物も出てきて、また、実名は出てこなかったものの氏がリスペクトしていた漫画家の諸星大二郎氏だと思われる作品の紹介もあり、堂々の「北森ワールド」でした。

 

 さらに、作品タイトルが示す今回の主題も、実に興味深い解釈がなされていてうならせられます。蓮丈那智シリーズは、一度、木村多江さんが演じてテレビドラマにもなりましたので、ご記憶の方にはお勧めです。

 

 垣根涼介氏の「人生教習所」(中央公論新社、☆☆☆★)を読むと、舞台が世界遺産に指定された小笠原諸島ということもあって、つくづく「人生やり直したいなあ」という気分になります。

 

     

 

 引きこもりで休学中の東大生、ふつうに就職したい元ヤクザ、コンプレックスのかたまりである太った女性ライターらが、新聞広告で知った「人間再生セミナー」に応募し、小笠原の自然とその数奇な歴史に触れるうちに……というストーリー。とりあえず、私も南の島に行きたいものです。

 

 佐々木謙氏の「密売人」(角川春樹事務所、☆☆☆★)は、氏の北海道警シリーズの第5弾です。一見、何の関係もなく見える複数の事件の共通項に気づいた主人公たちは……。

 

     

 

 この作品もそうだし、あとで紹介する別の作家のもそうなのですが、最近は警察内部の不祥事ものが多いですね。警察にかかわらず企業でも官庁でもマスコミでも、内部告発がらみの話をやたらと聞くし、また実際、ニーズもあるようです。現実に不祥事が増えているのか、そういう時代なのか。

 

 こうくるか、と思ったのが今野敏氏の「任侠病院」(実業之日本社、☆☆☆★)でした。今回、阿岐本組が立て直すのは第一作の出版社、第二作の高校につづいて病院、というわけです。

 

     

 

 気苦労の多い代貸、日村と器量が大きすぎて脳天気にしか見えない組長との掛け合いも相変わらず面白いのですが、今回は舞台が病院だけに人手不足など医療現場が抱える諸問題にもざっとですが触れてあります。

 

 私は数年前、ひどい風邪を引いて近くの医院にいくら通っても治らないので、試みに近所の大学病院に紹介書を持たずにふらっと行ってみたところ、待合室で4時間半待たされた揚げ句、5分の診察で終了し、その上、薬は別の処方箋薬局で別途求めなくてはならず……ということがありました。まあ、これは利用すべき病院を間違えた私の無知ゆえでしたが。

 

 笹本稜平氏の「特異家出人」(小学館、☆☆☆は昨年夏に出版されていて、気にはなっていたけれど、なんなとなく敬遠していた作品でした。それが先日、韓国に出張で行く際、羽田空港で目につき、しかも初版だったのでこれも縁かと思い購入しました。孤独な独居老人の失踪を捜査していた主人公は、やがて老人と自分の祖父らとの不思議な関係に気づき……。

 

     

 

 で、勢いづいてやはり笹本氏の「破断 越境捜査3」(双葉社、☆☆☆★)を手にしました。これも1、2と読んできていましたが、こんな早く3が出るとは考えていませんでした。舞台は相変わらず、警視庁(東京都)と神奈川県警であります。

 

     

 

 このシリーズは毎回そうなのですが、今回も両地方警察の確執と内部腐敗が描かれています。まあそれはいいのですが、主人公たちが会話の中でたびたび、それに負けまいと自分を鼓舞するようなセリフを述べるのですが、ちょっとしつこい気もしました。

 

 と、ここまでミステリ系だったので、ここからは気分を変えて時代小説となります。「古手屋喜十為事覚え」(新潮社、☆☆☆)は、小さな古着屋の主人を主人公にした宇江佐真理氏の新シリーズです。

 

     

 

 宇江佐氏の作品については、今までさんざん「上手い」と書いてきたので、もうそれ以上述べることはありません。登場人物のキャラ造形もしっかりしていて、安心して読書の時間を楽しめます。

 

 で、諸田玲子氏の「お鳥見女房シリーズ」も第6弾「幽霊の涙」(新潮社、☆☆☆)が出ていました。私は諸田氏の作品群の中ではこのシリーズが一番好きかもしれません。登場人物がみな、なんというかいじらしく感じるのです。

 

     

 

 梶よう子氏の作品はおそらく初めて読みましたが、この「柿のへた 御薬園同心 水上草介」(集英社、☆☆☆)はゆったりとしていて、同時にさわやかな読後感がありました。

 

     

 

 主人公のように、小さな事にあくせくせず、飄々と生きたいなあと思わせてくれます。ただ、時代ものにしては作中でそれぞれの登場人物の身分・職階の説明が少し足りないと感じました。お互いがどういう立場に基づいてこのような言動をとっている、という点がよく分からない部分があるというか。

 

 これまた当欄の常連である佐藤雅美氏の「八州廻り桑山十兵衛シリーズ」も第8弾「私闘なり、敵討ちにあらず」(文藝春秋、☆☆☆★)が出ました。

 

     

 

 表現は変かもしれませんが、私は佐藤氏の作品が味わわせてくれる中途半端なカタルシスが妙に気に入っているのです。主人公はあるとき、義憤にかられ、あるいは怒りに身を任せて「この野郎!」とばかりに反撃なり、仕返しなりをするわけですが、それでも同時に自分にできることとその範囲をわきまえています。

 

 その結果、シロかクロかのようなはっきりした結末に終わることは少なく、めでたしめでたしともならず、むしろ、どこかもどかしさが残るわけですが、それが物語のリアリティーにつながりますね。世の中、そんなにすっきりといくことは過去も現在も未来もないことでしょう。

 

 最後に、夢枕獏氏の格闘小説「新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編」(双葉社、☆☆☆)を紹介します。作者はあとがきに「この物語が要求している長さは、ぼくの寿命よりも長い可能性がある」と書いていますが、読者としてはそれは困りますね。

 

     

 

 まあ、あれこれ行っても仕方がないので一つだけ感想の述べると、ジャイアント馬場をモデルにしたカイザー武藤には、主人公の丹波文七に勝ってほしかったなと、元プロレスファンとしてはそう感じました。行方が気になっていただけに。

 

 さて、話は飛びますが最近痛感していることを一つ。政治家も含め、日本人のかなりの部分は、戦後それがタブー視されていたこともあって軍事的視点に欠けているか非常に弱いのではないかと感じています。その重要性と現実世界に及ぼしている影響が実態以上に軽視されていると。

 

 あるいは、あのいやらしく卑屈でお花畑的な日本国憲法の影響もあるかもしれませんが、日本が何に拠って立っているのか、どうやって生存しているかに意識が向かず、今日の平和は所与の、当然のものであるかのように受け止めているのだなと。

 

 私は当然、日本の自主独立、自主防衛を目指すものですが、そのためには一歩一歩段階を踏む必要もあるし、準備も覚悟も必要です。ただ口で唱えれば済むという考えは、鳩山由紀夫元首相が何もやるべきことはやらずに「日米対等」と言い出した例を見ればわかるように無意味どころか非常に有害だろうと思っています。

 

 集団的自衛権の行使も認めないで何が対等だと。北朝鮮の核・ミサイル情報も米国の偵察衛星情報に頼っていてどこが対等だと。戦術核を持つ検討をするどころか、核燃料サイクルの問題も考慮せずに首相が脱原発を「個人の考え」として喧伝する体たらくで何が対等だと。民主党政権で日米同盟関係が弱まったと見られると、中国は尖閣であばれ、ロシアは北方領土に大統領が上陸し、韓国竹島の占有事実の強化を図り、それに日本政府は何の対抗措置もとれないでいて、何が対等だと。中国軍の計画的な大幅増強に対して指を加えるばかりで、対抗して防衛費を増やすこともしないで何が対等だと。何より押しつけられた占領憲法の自主改正のめども立てられないで何が対等だと。

 

 真の対等を目指せばこそ、一つひとつ解決していかねばならない問題は山積していると思います。国際関係に永遠の友好国も同盟国もないのは当然だからこそ、長期的な視野に立って布石を打ったり、あらゆる事態に備えた地道な準備を続けたりが必要なのではないかと。自国以外はすべて仮想敵国となりうるからこそ、当面の味方はしっかりと味方として維持・引き留め、その上で将来のあるべき姿を考えるようでなければ立ち行かないし、無責任だろうと。

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短信・Mr.ナベツネに関するささやかなエピソード

2011/11/11 18:30

 

 

 マスコミ界のドンともいわれ、鬼才・いしいひさいち氏の漫画の登場人物等のモデルともなったMr.ナベツネが話題になっているのを見て、以前聞いたささやかなエピソードを思い出したので、ちょっと紹介してみます。

 

 あれは何年前だったか、永田町でこのナベツネ氏と故瀬島龍三・伊藤忠商事元会長(元大本営陸軍部作戦参謀)がケンカしているとの噂が流れたことがありました。二人とも、中曽根康弘元首相に近く、ブレーンとも言われる存在だっただけに、私のようなチンピラ政治記者も少々、興味を引かれたのでした。

 

 そこで、当時、キャピトル東急ホテルの一室にあった瀬島氏の事務所を訪ね、「最近、渡辺さんとけんかしているとの話が聞こえきますが?」と単刀直入に聞いてみたところ、瀬島氏はけんか自体は否定したものの、「うーん、あれはいかん」と語り始めました。

 

 そのしばらく前、ある料亭で瀬島氏がMr.ナベツネ氏と同席していたことは分かっていました。おそらくそのときのことだと思いますが、瀬島氏は私にこんなことを語ったのでした。

 

 「渡辺さんはなあ…。乾杯してビールをグラスで飲んでいるうちはいいんだが、途中からコップ酒になってくると…。ああなるともう…あれはいかん!」

 

 瀬島氏はそれ以上具体的なことは話そうとしませんでしたが、たばこをふかす姿が心なしか不快そうで、酒の席で何かあったのだろうと推察しました。瀬島氏の方がMr.ナベツネよりずっと年上なわけですが、そういうことをそれほど気にする人でもないでしょうし。

 

 ただそれだけのお話ですが、読売新聞の記者も大変だろうなあと、弊紙より給与・待遇・福利厚生その他はるかに立派な会社の社員にほんの少し同情を覚えたのでした。

 

 また、それから数年後には、ある政治家のパーティーで、60歳をとうに過ぎた読売の役員クラス(それも上の方)のお偉いさんがあいさつで、「でもうちの社内では上がつかえていて小僧扱いですから…」と自虐ギャグを飛ばすのを聞きました。

 

 まったく他社のことも他人のことも言えた立場でも身分でもありませんが、「すまじきものは宮仕え」だとしみじみ感じたことを、今回の騒動をきっかけに感慨深く振り返った次第です。はい。それだけです。

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マルチ疑惑・山岡氏はもうアウトだと思うのですが

2011/11/10 09:07

 

 

昨日の衆院予算委員会での山岡賢次国家公安委員長・消費者問題担当相の質疑を見ていて、この人は「もうアウトだろう」と感じました。もちろん、例のもう何年も前から指摘されてきた「マルチ疑惑」の件です。自民党はこの日、論理的に相手を追い詰めることでは天下一品の石破茂氏が前日の平沢勝栄氏に続いてこの問題を追及したのですが、山岡氏はしどろもどろで、かつマルチ業界をかばうような場面も見られ、ノックアウト寸前でした。

 

 そこで、昨日の予算委のやりとりを後輩記者の力武崇樹記者がテープ起こししてくれたものを元に、少し補足を加えて再現しようと思います。ちなみに、竹内昭夫東大教授は昭和52年の物価問題に関する特別委員会

 

 「少なくとも、公正なマルチというものはあり得ないであろう。公正なマルチというのは、あたかも安全なペスト、無害なコレラというように概念矛盾ではないか」

 

 また、平成18年には三重県伊賀市の社会協議会が会報で「マルチ商法で失う物はお金だけではありません。気がついた時には友人を失い、借金が残るのみです」と呼びかけました。ところがこのとき、民主党の「流通ビジネス推進議員連盟」が、業界団体と一緒に伊賀市に抗議の意見書を出しています。この議連の会長は山岡氏であり、事務局長はやはりマルチ問題で議員辞職した前田雄吉氏でした。

 

 

石破氏:昨日平沢委員が質問しましたが、山岡議員が事務所の秘書に、「事務所の経費が厳しいのでマルチで稼いでくれ」と言った。これに対して、「断じてそのようなことはない」と言った。事務所の方はそのことについて証人喚問にも応じないということであるようですが、この場で証人喚問やるべきだと思いますが、断じてそのようなことはいっていないと言えますか。

 

 (※注 8日の予算委で平沢氏はこう指摘しています。「私はこれを推測で言っているんじゃないですよ。大臣の事務所の関係者から直接聞いているんですよ。その事務所の関係者の話では、平成16年、大臣は事務所の関係者に、『事務所の経費が厳しいからマルチで稼いでくれ』ということを言ったんじゃないですか」。これに対し、山岡氏はいったんは「名誉毀損だ」と息巻くものの、次の瞬間には「ぜひ後ほど、長い付き合いですから、友情を持って、それがだれであるのか教えていただきたい」と泣き落としにかかりました)

 

山岡氏:私はその必要もないし、そんなことをいった覚えもないんで、平沢委員にもどうなっているのか教えて頂きたいと申しあげた次第でございます。

 

石破氏:もう一つ、平沢委員の質疑の中で、2008年に開かれましたイベントにおきまして、多忙でありました当時の山岡国会対策委員長がわざわざ式典でご挨拶というよりもこれはもはや講演に近いものだと思いますが。私、昼休みにビデオを見てみました。その中でなんでこの会に来たかということを山岡議員が述べておられます。すなわち、「自分の事務所の秘書をずっとやってくれていて、大変優秀だった高野さんという方がおられると。この人はみなさんの仲間で今トップリーダーになっている。その高野さんがみなさんと一緒に頑張っている。そういうこともあって、今日は何があっても来なければならないと拉致されてきたんです」。まあ、拉致という言葉が正しいかは別として、つまりずっと秘書をやっておられた方がいて、大変に優秀であり、秘書をやめた後、こういうような会に参加され、いわゆるネットワーク商法のトップリーダーになっておられというようなことを述べておられるわけであります。おたずねしますが、この秘書は秘書をやりながら、このようなネットワークビジネスをしていたということでよろしいですか?

 

 (※注 このイベントというのは、「NPサミットコンベンション」とうもので、NPとはマルチの会社の略称だそうです。NP社はこのイベントの3年前に社長以下が脱税で起訴され、その翌年には社長が覚醒剤取締法違反で逮捕されているとのことです。ここで山岡氏は「今みなさんのお仕事しているお仕事についてですね、やっぱりちゃんとした国のためになる仕事だということをですね、国の方でもお手伝いしようと、そういうことで、健全なネットワークビジネスを推進する議員連盟というのがありましてね」「是非ともネットワークビジネスで頑張っていただいて、これはね一人ひとりの仕事ですから口コミなんですよ。信頼関係なんですね」などとあいさつしています。

また、平沢氏によると石破氏が名前を挙げた「高野さん」とは、山岡氏が安田生命から引き抜いて秘書にした人物です。)

 

山岡氏:私の秘書には兼業を禁止していますから、少なくとも私の知る限りにおいては秘書をしながらしていたとは思っていません。

 

石破氏:それではこの方に聞けばわかることではございますが、どうも、さきほどのマルチで稼いでくれという話とつなぎあわせますと、秘書をずっとやられて大変優秀だった。その方が今、トップリーダーとして稼いでいる。今の話でいいますと、大臣の事務所は兼職を禁止しておられるので秘書の在任中はそのようなことは一切やっていなかった。秘書をやめられてこのようなビジネスを始められ、トップリーダーになられた。ということで間違いありませんか。

 

山岡氏:少なくとも私の事務所で兼業をしているということはないと、私は信じています。どういうことがあったかはその頃確認もしておりませんでしたが、ただ、いずれにしても、お辞めになってからは非常に厳しい病気になって苦労をされているということなので、私が同情をよせていることは事実でございます。

 

石破氏:事務所によってスタイルは違いますが、大変優秀だったということで、大臣が非常に信頼されていた方だと拝察します。その方が、そういうことをやっていたかやっていなかったか。汗水垂らして働かなくてはいいとはいえ、これ大変な仕事だと思いますよ。楽してカネ稼いだらこんな苦労しないことはないんであって、そういう方がやっていたかどうかは知らないということをおっしゃっているのですね。やっていなかったとう断言はなされないわけですね。

 

山岡氏:やっていたかいなかったか確かめたこともありませんし、また、そういう認識ももったことはないとうことです。

 

石破氏:やっぱりこの方をお呼びしてお話しを聞かなければならんと思います。事務所の経費が厳しいのでマルチで稼いでくれといったことは断じてないとおっしゃっている。来ていただいてお話しを伺いたい。消費者担当大臣で、消費者に対して、悪徳商法にひっかかってはならないよと啓蒙し、そうした業者に対して警告する立場であります。このイベントの講演を拝見して、「こんなものに参加してはいけないよ、気をつけようね」というご発言は全然なくて、徳川家康やら織田信長が出てきて結構忙しい話はいろいろあって、「今までのそういうような常識を打ち破れ」と随分おっしゃっていた。警視庁から出ている文書、どういうようなマルチネットワークビジネス。それはやってはならない。それは、十分啓蒙すべきだと考える。

 

山岡氏:委員にお願いでありますが、一般の民間人のお名前をここでだすのは是非さしひかえていただきたい。というお願いを申し上げます。私の委員会のことでご迷惑をかけたくないというふうに思っております。率直にいって、いいとか悪いとかそれほど認識が深い、深かった訳ではありません。

 

 (※注 このイベントのDVD映像に関しては、10日の衆院予算委理事懇談会で視聴されることになっています。民主党側も、あまり山岡氏をかばうと一蓮托生になってしまうと切り捨て態勢に入ったのか)

 

石破氏:担当大臣でいらっしゃるから、全てのマルチが違法といっていないが、委員会やこういうような商法を気をつけなければならないということを言っているわけで。当然知っていなければおかしいでしょう。どういうものがやってはいけないネットワーク。

 

山岡氏:どういうのかというとですね。特定商法取引法で定めた、書面交付をきちっとやって、不実のこと告げる行為をしないで、人を威迫したり、誇大広告をしない。こういうことを犯せば違法なビジネスとなる。

 

石破氏:ネットワークビジネスで一番苦しんでいるひとはどんな人だと思います。参加をして、多くの負債をかかえてどういう状況で苦しんでいると認識している。

 

山岡氏:そこまでよく認識していなかったし、今、色々と話を聞いてはいますが、いずれにしても、そういうことをなくす健全なビジネスを育成するだということで、私も仮とはいえ、このタッチをさせて頂いている。

 

石破氏:どういうことで多くの人が苦しんでいる。どういう人達が今、どういうことで苦しんでいるんですか。それは本人が認識していなければおかしいでしょう。どういう人達がどういうことで苦しんでいるのですか。2カ月たっているんでしょう。消費者担当大臣になって。

 

山岡氏:どういうことでというのは、いずれのビジネスでもいえるかもしれせんが、成功をしないと、たとえば、セールスにおいても販売成績が十分にあがらないで、場合によっては自己負担をしながら、やっている人がいる。こういう人がいるやに聞いていますが、そういう人が苦しんでいるのだと思います。

 

 (※注 私はこれを聞いて、この人は本当にダメだと思いました。マルチ商法を一般の商取引と同一視してみせ、その被害者をうまく成績を上げられなかった人であるかのように言うこの人の資質を疑わざるをえません)

 

石破氏:そういう人の方が多いのではないですか。成功した人は少ない。違法とか違法じゃないということではありません。多くのノルマを課されて、知人、友人に会員になってくれと頼むから。地方はそうですよ。高齢者の多い地域がある。義理人情に厚い人がそうかそうかとどんどん入っていく。しかし、ノルマがきつい。借金がかさむ。大勢が苦しんでいるのではないですか。このビジネスは成功した人よりも苦しんでいる人の方が多いのではないですか。違法じゃないからいいとうい話にはならない。ノルマが高くてイベントが多くて参加させられて、そういうわなにはまらないように仮に健全なものがあるとしたら、ノルマが少なく。大勢の人がそれで苦しんでその解消に努めるのが消費者担当大臣ではないのですか。

 

山岡氏:特定商取引法の対象になっている業種と例えば、いずれもそう言う傾向がまず親戚からいくとか、ノルマがこなせないとか、そういう話はたくさんあると思いますが、ただ、ほとんどの人が多くの人がそういう状態であるというような報告等はうけていません。

 

石破氏:それでは、何万という苦情が寄せられているのは一体何なんです。そういう人達が、人情にほだされて多くの負債をかかえて苦しんでいる。多くないからいいという認識は正しくない。救うのが仕事、啓蒙するのが消費者庁の仕事じゃないのですか。

 

山岡氏:おっしゃるとおり、啓蒙して、情報を提供していく。ただ、何万というが、その中身は一般の問い合わせを含めての数字。それが、四万から一万ぐらいに減っている。質問総数でいくと、宅地取引不動産関係は、合計で40万きているとか分母もそう言う数字である。そのうちの1万ということで、必ずしも絶対数では、判断しにくいものがある。いずれにしても、先生がおっしゃるように問題があったり、不正があれば当然厳正に対処していく。そういう立場なので、この違法のない健全な業者からの献金とは思っているが、自発的に全額返したというわけであります。

 

石破氏:大臣に就任して、そのようなことを達成するのに今まで何をした。

 

山岡氏:消費者大臣としては、たとえば、この地域の消費者生活センター等々に、行って、色々の報告、相談等々の実情を把握したり、パイオネットにどういう情報が送り込まれていきていると、その中身はどういうものか。そういうことを、消費者関係については行っています。

 

石破氏:「国としてお手伝いをしたい」と野党の時いっていたわけですよ。それが、与党の時、消費者担当大臣、国家公安委員長。犯罪を取締り、消費者を守るお立場に立たれたわけですよ。2008年、ついこの間の話ですよ。「国として、このような国のためになるビジネスを応援したい」というふうにおっしゃっておられた方。そう言う方を消費者を守る大臣にし、そして、また犯罪を取締る国家公安委員長にしたということはね、私は、総理の誠実な人柄とは別に、この内閣とは一体何なのかということを思わざるをえない。適材適所というならば、きちんと、昨日総理はきちんとお答えにならなかったが、なぜ一番適材なのか。民主党さん、国民新党さんにはあわせて400人の国会議員がいる。その中で、一番適材とご判断になったのか。そのことは内閣全体の信用の問題だと思いますよ。この人をおいて他にいない。余人をもって代え難い。だから判断されたんでしょう。なぜ判断をしたかということを昨日総理はお示しになりませんでした。総理いないが、是非お伝えください。なぜ一番これがいいと判断されたのか。(了)

 

 ……平沢氏に話を聞くと、彼はこの問題のポイントとして①山岡氏自身がマルチの広告塔・応援団を務めていた②山岡事務所をあげてマルチにかかわっていた③山岡氏自身がマルチ関連企業の幹部だと言われていて、そこから集金するシステムができていた疑惑がある---ことなどを挙げています。

 

 また、8日の予算委の終了後、国会内で廊下で民主党の重鎮議員とすれ違った際、先方から

 

 「俺だったら『取り締まられる側が取り締まる側になっちゃいけない』と言うな」

 

 と声をかけられたそうです。平沢氏は「政治家がたまたまマルチに手を出したのではなく、マルチの商売人がたまたま政治家をやっているようなものだ」とも語っていました。この問題は、まだまだ闇が深そうであり、自民党は参院に論戦の舞台が移っても追及を続ける構えです。

 

 ただ、この山岡氏をよりによって今の立場に起用した野田佳彦首相はどう考えているのでしょうね。今回の内閣・党役員人事は一般に党内融和を最優先した派閥均衡型人事と言われていますし、私もそうだとは思います。

 

 とはいえ、もしかして、野田首相が私が想像している以上に自信家で、野田政権は何があってもそう簡単には倒れないと確信しているとしたらどうでしょうか。ないとは思いますが、つい考えてしまいます。

 

その場合、まず、最初に党内融和を演出して、いつ辞任してもかまわないような軽量、または危ない人物を各グループから引っ張って配置しておく。その上で、いざ辞任となったら、その議員を推したグループの責任を示唆しておいて、派閥均衡に配慮する必要なく自分の意図に合う人物を後任に据える。こうしてどんどん閣僚を入れ替え、野田色の濃い本当の野田内閣を目指す……まさかねえ。だいたい、そんなに民主党に人材豊富とも思えないし。

 

 以前から数々の問題が指摘されてきた山岡氏なんかを国家公安委員長に据えるから、つい穿ちすぎたことまで考えてしまいますね。いずれにしても山岡氏の件は、このままいくと証人喚問にも発展しますし、それを回避しても問責決議は避けられないのではないかと見ています。なんのこっちゃ。

 

 

 

 

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細川政権崩壊まで持ち出した亀井氏と、藤井氏の述懐

2011/11/08 16:36

 

 

 連日紙面をにぎわせているTPP交渉参加問題に関して、今朝の産経政治面に、国民新党亀井静香代表が7日、参加反対派の集会で野田政権が短期間で潰えた細川護煕政権の二の舞になりかねないと〝警告〟し、野田佳彦首相に交渉参加を表明しないよう重ねて牽制したという記事が載っていました。記事によると、

 

 《(亀井氏は)細川政権ではウルグアイ・ラウンドでのコメ市場開放問題があったことに触れ、「70%を超える支持率を持っていた細川政権は、木の葉が落ちるように、あっという間に潰れてしまった。縁起でもないことを言いたくないが、細川さんの亡霊が今また覆っている」と述べた。》

 

 ということです。小さな囲み記事でしたし、いつもの亀井氏のはったりだとも言えますが、私は興味深く読みました。というのは、亀井氏はまさに当時、野党・自民党にいて、社会党を細川政権から引きはがし、細川政権を崩壊させる工作を担った中心人物の1人だったからです。野田首相が細川元首相の「弟子」であることを考えると、因縁めいたものを感じますね。

 

 また、細川政権の崩壊理由に関しては、細川首相自身の政治資金スキャンダルや、唐突な消費税率上げ表明などが一般よく挙げられています。その中で、亀井氏があえてコメ市場の部分開放を決めたウルグアイ・ラウンドを持ち出したことも強く関心を引きました。

 

これはTPP絡みの集会でのことだから当然と言えばそうなのですが、私が民主党の藤井裕久税制調査会長に2年半前にインタビューした際も、やはり細川政権崩壊の理由の第1にこのウルグアイ・ラウンド問題を指摘していたことを思い出したからです。因果はめぐるというか、人は結局、自分自身を経験しているに過ぎず、同じ事を繰り返すというか……。

 

 その藤井氏のインタビュー(ごく短いものです)に関心のある方は、私の200957日付の過去エントリ「民主・藤井最高顧問に聞く『かつて社会党と別れたわけ』」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1025555/)をお読みください。私は話を聞きながら、細川政権が壊れる課程を見守った藤井氏の切歯扼腕と歳月の中で身につけた諦観のようなもの感じたのです。まあ、あのときは枯れかけているように見えた藤井氏がすっかり復活しているのですから、政治家ってのはつくづく恐ろしいものだなあと思います。

 

 あと、このインタビューの中で、藤井氏が「これができなければ政権交代なんて意味がない」と強調していた大事な問題が、まだほとんど進んでいないことも蛇足ながら付け加えておきたいと思います。

 

 

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与良コラムと日教組とステレオタイプと

2011/11/08 10:29

 

 

 ちょっと旧聞に属する話なのですが、書かずにおくといつまでも心に引っかかるものが残るので、この際、ここで記しておきます。もやもやしたままはき出さずにおくと、精神衛生に悪そうなので。

 

 私自身、反省しなければならない点は多々あるとは思いますが、最近、世の中のある問題の取り上げられ方があまりに「ステレオタイプ」で、複雑で多面的な事象を正邪・善悪の二元論で割り切ったり、よく知りもしないことを「アレはきっとああだ」と決めつけてそれで済ませるような場面に出くわします。

 

 私もあまり物事をあれこれ微に入り細に穿ち検討し、慎重に考える方ではないのですが、あまりに一面的で何も考えていないくせに偉そうな論調には正直、うんざりしています。一例を挙げます。

 

 2日付の毎日新聞夕刊のコラム「熱血!与良政談」を読んでいたところ、こんな一節があり、ため息をついたのでした。

 

 「政治と教育というといまだに『文部科学省対日教組』の対決図式で語る人は多い。

 

 ……いったい、この人は何十年前の話をしているのでしょうか。私はここ20年近く(学生時代を合わせるともっと長く)日教組問題をウオッチしてきましたが、文科省と日教組を対立の構図でみることができたのは、せいぜい自社さ政権が成立して社会党と日教組が文科省に浸透する以前までの話であり、それ以後は文科省は日教組とのなれ合いを深め、ときに一体化してきたのが実態でしょう。

 

 実際、私は自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の会合をはじめ、保守系議員や民間団体による教育関連集会や日教組問題追及集会にちょっと数えられないぐらい取材してきましたが、そこで文科省と日教組の対立の構図が語られたのなど見たことも聞いたこともありません。

 

 むしろ、多くの保守系議員が「文科省はわれわれ保守系議員が何を指摘しても、左派勢力の方を恐れて言うことを聞かない」「文科省の連中はわれわれの話を聞くふりをして、この前も日教組幹部と飲み歩いていた」などと、文科省と日教組の癒着・一体化ぶりを嘆く場面には何度も遭遇しました。

 

 また、産経新聞も私も日教組の問題点をいろいろと指摘する一方、その問題点をきちんと指導しようとせず、それどころか日教組側に立ち、左派勢力の言い分ばかり丸呑みする傾向がある文科省を批判してきました。そのときどきの文科相によって温度差はありましたが、文科省という組織自体が対日教組における見方だなんて考えたこともありません。

 

 まして、日教組のドンが与党幹事長を務め、日教組の専従委員が文科政務官と首相補佐官にまで上り詰めた現在の野田政権において、「文科省対日教組」なんてノスタルジックで牧歌的な発想はどこから出てくるのでしょうか。与良氏の見識と知的誠実さを深く疑います。あるいは、不勉強と思考停止の極みなのか何なのか。

 

 また、私はこのコラムを読んで、慰安婦問題に対してレッテルを貼ろうとしたある種の人たちのことも連想しました。例えば、社民党の土井たか子元党首は以前よく、慰安婦の強制連行の証拠は見つかっていないというごく常識的な主張をする保守系勢力に対し、「従軍慰安婦はいなかったと言っている人たち」という言い方をしていました。

 

 保守系勢力は確かに、「従軍慰安婦という言葉は戦後の造語であり、戦前・戦中はなかった」とは主張しています。しかし同時に、当然のことながら「慰安婦」と言われる人たちがいたことは認めています。なのに、土井氏やその仲間たちは意識してか無意識にか、保守系勢力は「従軍慰安婦の存在自体を否定している不誠実な歴史修正主義者である」というレッテルを貼ろうとしたのです。

 

 これと一緒にしてはいけないかもしれませんが、与良氏が「いまだに『文部科学省対日教組』の対決図式で語る人」と持ち出すのを読んで、似たような構図だなあと感じた次第です。で、この手の嫌らしい相手をおとしめる手法は、歴史問題だけでなく、他のいろいろな問題でも同様に繰り返されていると感じているのです。

 

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安倍元首相ら自民、民主両党議員がダライ・ラマと会談

2011/11/07 12:54

 

 

   今朝、自民党安倍晋三元首相ら民主、自民両党の国会議員が都内のホテルで、来日中(東日本大震災の被災地訪問などのため)チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と会談するというので取材に行ってきました。民間のシンクタンク、国家基本問題研究所(理事長・ジャーナリストの桜井よしこ氏)が場をセットしたそうです。おそらく日本の首相経験者がダライ・ラマに会うのは初めてです。

 

 会談には安倍氏のほか、自民党では山谷えり子氏、古屋圭一氏、稲田朋美氏、加藤勝信氏、高市早苗氏、下村博文氏、衛藤晟一氏が、民主党では長島昭久氏、渡辺周氏、笠浩史氏、長尾たかし氏、鷲尾英一郎氏、金子洋一氏らが参加しました。長島氏は首相補佐官、渡辺氏は防衛副大臣と現職の政府高官なので、中国側がちくちくと文句を言ってきそうなところですね。

 

 会談自体はクローズで行われたので細かいやりとりまでは分かりませんが、事後に安倍氏に聞いたところ、ダライ・ラマ14世は東日本大震災へのお見舞いと、日本からチベット人民に対するこれまでの支援に対するお礼を述べ、さらにこう語ったそうです。

 

「自分たちは今後とも、中国に対して高度な自治を求めていく。そのため、中国の人々の考え方を変えなければならない。中国の人々も開かれた社会、自由を求めているはずだ。そのことを言い続けることが大切で、日本や米国などが、中国の首脳、指導者に対してそれを言い続けてくれることが重要だ」

 

 これに対し安倍氏はこう応じました。

 

「私は価値観外交として、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有している国々とともに、これをアジアに広げていきたいと考えてきた。中国に対しても、この重要性を訴え続けていく。日本国民もチベット人の置かれた状況にもっと注意するよう私も努力していきたい」

 

 ……会談終了後、ダライ・ラマ14世は盛んに「サンキュー、サンキュー」と出席議員らに呼びかけていましたが、その声は若々しく張りがあり、76歳という年齢よりかなり若く見えました。本日はもう日本を発ち、モンゴルへと向かうそうです。

 

     

会談後、ホテルの部屋を出るダライ・ラマ14世。

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ここ2週間でスクラップした各紙のベタ記事について

2011/11/04 17:29

 

 

 記者の日常業務の中で、意外と時間と手間をとられるのがスクラップ作業であります。もちろん、中にはスクラップなどという面倒なことは最初からやらないという人もけっこういますが、私はこの切り貼りという作業をしないと記事の中身がなかなか頭に入ってこないのです。

 

 で、本日はここ2週間ほどの各紙のベタ記事・ミニニュースの中から、私が注意をひかれたものを備忘録を兼ねていくつか掲載しようと思います。この手の小さな記事は、おそらくテレビではあまり放送されないでしょうし。《》内は記事の引用です。

 

1021日付日経 見出し「平岡法相の秘書官辞任」……《92日に法相の秘書官となった後、過去に詐欺罪で有罪判決を受けていた事実が判明。》→平岡氏は知らずに採用したと弁明していますが、どんな採用基準だったのか。そういえば、前法相も逮捕歴の持ち主でしたが。

 

1021日付朝日 見出し「法制局長官答弁臨時国会もなし 官房長官が方針」……《政治主導を掲げる民主党政権は、法制局長官を「政府特別補佐人」から外しており、今国会でも弁護士出身の枝野幸男経済産業相が法令解釈担当として答弁する。》→枝野氏に答弁させる方が危ないような。それに、野田佳彦首相はいずれ法制局長官答弁を復活させるつもりだとも聞きます。

 

1021日付産経 見出し「小沢氏『TPPは原則賛成』」……《「原則賛成だが、国民生活を守る対策を取らずにやるのは早計だ」と語った。》→これは、同じ記者会見での言葉について各紙で解釈が分かれました。東京は輿石東幹事長と併せて「参加推進で足並み」、朝日は「小沢氏前向き」、毎日は「小沢元代表『原則は賛成』」としたのに対し、読売は「小沢元代表慎重」と報じました。まあ私は、小沢氏が例によってどちらとでもとれるような曖昧な言い方をわざとして、世論、支持者の反応を見たのだろうと思います。また、各紙は意図的に発言をねじ曲げたのではなく、発言の力点がどうとでもとれるので各記者の受けとめ通りに報じたのだろうと。

 

1022日付朝日 見出し「発言録 鳩山由紀夫元首相」……《首相時代、東アジア共同体の話をすると、日本の外務省から米国に「こういってくれ」と(反対意見を)言わせた。》→被害妄想か誇大妄想か、とにかく陰謀論の世界に生きている方のようです。

 

1024日付産経 見出し「『地方も対象』 人件費削減で前原氏」……《東日本大震災の復興財源を捻出するための公務員人件費削減について「国、地方にかかわらずやっていかなければならない」と述べた。地方公務員の給与削減に言及したのは初めて。》→私は前原誠司氏がかつて民主党代表に選ばれた際、彼が官公労依存からの脱却を唱えたのは評価し、そう書いています。ただ、それも「言うだけ番長」でしたが。

 

1025日付産経 見出し「防衛協力を強化 ベトナムと覚書」……《東シナ海や南シナ海で権益拡大を活発化する中国を牽制する狙いがある。》→まあ、この政権は確かに、小鳩時代のように必ずしも中国べったり政権ではないのですよね。この手の動きはあちこちで見られます。

 

1026日付日経夕刊 見出し「鳩山氏『最低でも県外』発言 玄葉外相『誤りだった』」……《玄葉氏は「(米軍普天間飛行場移設問題に関する)発言を聞いて、鳩山政権ができたら、おそらくこの問題で終わるんじゃないかと思った。現実になってしまった」とも語った。》→そんなやつを担ぐなよと、突っ込みを入れたくなりますね。それでも、この発言をそのまま通せばある意味、評価できたのですが。

 

1028日付産経 見出し「法相、元秘書に二重給与」……《公設としての勤務は1日だけで、関係者によると支払われた給与は各50万円、計100万円余りとみられる。平岡氏は、公設秘書の給与制度では1日の勤務でも月給が満額支払われると説明し、問題ないとの認識を強調した。》→まあ、制度は制度なんでしょうが、「問題ない」ねえ。

 

1028日付毎日 見出し「首相、鳩山氏に『玄葉発言誤り』」……《(首相は鳩山氏に)「間違いだ。申し訳ない」と伝えた。首相は「政権交代が間違いでなかったと国民に分かってもらえる努力をせねばならない」と語り、鳩山氏は「協力する」と応じたという。》→さすが全方位どじょう外交の首相ですが、間違いは鳩山氏なのか玄葉氏なのか首相自身か政権交代か、悩ましくなる記事でもあります。

 

1028日付読売 見出し「教職員の給与は78%削減対象外 輿石幹事長」……《民主党の輿石幹事長は27日の記者会見で、政府が目指す国家公務員給与の78%削減に関し、「地方公務員に波及させると決めたわけでもないし、ましてや義務教育(の教職員給与)に影響することはありえない」と述べた。輿石氏は日教組傘下の山梨県教組出身。》→はい、前原番長の地方公務員の給与削減案はあっさり否定されました。これが自治労、日教組など官公労に支えられている民主党の実情ですね。

 

1029日付日経 見出し「首相、所信表明棒読み」……《原稿に視線を落としたまま頭を下げた。野党席に向かい何度も深々とお辞儀をする低姿勢を前面に出した1か月前の前国会と比べて、自民党幹部は「様変わりの姿勢だ」と語っている》→案外、首相の低姿勢が崩れるときが、野田政権が崩壊するときなのかもしれません。

 

1029日付朝日 見出し「玄葉外相が発言釈明」……《鳩山由紀夫元首相が米軍普天間飛行場の移設先を「最低でも県外」と発言したことを「誤りだった」と国会で答弁したことについて、「沖縄のみなさまに大変申し訳ないというのが真意だ」と記者団に釈明した。》→第2の「言うだけ番長」でしょうか。松下政経塾では同期、同部屋だったそうですが。

 

111日付毎日 見出し「10月 官邸で首相会見なし」……《藤村修官房長官は31日の会見で、野田佳彦首相が10月に首相官邸での記者会見を1度も行わなかったことについて「それぞれ(視察先)の場所で会見したり、報道各社とのグループインタビューも行っている。10月も計10回ほど機会があった」と説明した。》→その10回の中身が、視察先でごく短時間、簡単なやりとりをするだけでは……。でも確かに、首相が何もせず、何も発信しない方が支持率は維持できるというのはその通りかも。

 

112日付読売 見出し「『日米で秩序作る』 長島補佐官」……《長島昭久首相補佐官は1日、東京都内で講演し、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加について、「アジアを米国中国(2国だけ)に仕切らせない。アジア太平洋の秩序は日本と米国で作っていく積極的な視点が必要だ」と述べた。》→TPPは農業だけの問題ではないというのはその通りですが、永田町・霞ヶ関界隈では連日のように、農協関係者などのデモその他が目につきます。私も街頭でビラを受け取りましたし、ついさっき前も、外務省の横をデモ隊が通過するのが聞こえました。

 

112日付読売 見出し「千葉県内の韓国人から」……《政治資金規正法で禁止された外国人からの献金を受け取っていた問題で、首相の事務所は1日、献金した2人は千葉県船橋市と同県松戸市に住む韓国人だと明らかにした。》→この見出しはいくら何でも略しすぎだろ、と吹きました。内容は重大ですが。

 

113日付朝日 見出し「菅グループ会長に復帰」……《菅直人前首相を支持する議員グループ「国のかたち研究会」(30)2日、国会内で役員会を開き、同日付で菅氏の会長復帰を決定した。》→で、菅グループの平岡氏を法相に推薦し、押し込んだのが菅氏であると。早く消えてほしいです。

 

114日付朝日 見出し「元公明議員を内閣府参与に 野田政権、方針固める」……《野田政権は、元公明党参院議員の高野博師氏(64)を外交政策担当の内閣府参与に起用する方針を固めた。》→なりふり構わず公明党に接近を図っているようにも見えますが、この手の奇手は逆効果を生むこともしばしばですからどうでしょうね。それにしても外交政策担当か……。

 

 とまあ、私が興味を覚えたベタ記事を並べてみたわけですが、いかがでしたでしょうか。ただそれだけの話ですが、小さな記事も背景を考えながら読むとそれなりに感慨を覚える部分があります。では、それではまた。

 

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