北朝鮮によるミサイル連射をきっかけに、政府・自民党内で発射前に敵のミサイル基地をたたく敵基地攻撃能力を持つべきだという意見が浮上しています。日本はまだミサイル防衛(MD)システムも整えられていませんし、仮にMDを導入しても、飛来するミサイルを全部撃ち落せるわけではありませんから、当然の議論でしょう。いや、危機は目の前にあるのだから、遅すぎた議論という方が正確かも。
ところが、こうした当たり前すぎるぐらいの話に対し、公明党は「(北朝鮮ミサイル基地を攻撃すれば)全面戦争ということだから、慎重に検討すべきだ」(神崎武法代表)と反対する構えです。
すぐ「全面戦争」というのも飛躍していますが、どうやら、公明党内には「平和の党たるわが党が日本の右傾化を食い止めるブレーキ役になる」「いずれは必要な能力かもしれないが、先の話だ」「日米安保条約に頼ればいい」といった認識が根強いようです。幹部らのオフレコの話を総合すると、そういうことになります。
しかし、これは、北朝鮮によるミサイル攻撃に対して、日本国民を全く無防備で放置しろと言っているのに等しい。日本国内の右傾化という、実態をどこまで反映しているか分からない仮想の話を、目の前に迫った国民の生命・財産の危機より優先させていることになります。
敵基地攻撃を可能とするミサイルの長射程誘導技術の研究については、昨年初め、公明党の強硬な反対で中期防衛力整備計画から削除された経緯もあります。いわば公明党は「前科」があるにもかかわらず、また国民の命を軽視する愚を繰り返そうとしているわけです。
もっとも、長射程誘導技術研究の見送りの際には、自民党国防関係議員から公明党を説得するような強い動きはみられませんでした。自民党も危機意識の欠如という点では同罪だったかもしれません。
飛来するミサイルを撃ち落すことができず、事前に敵基地をたたくこともできないとするなら、日本は丸裸も同然です。脅威は北朝鮮だけではありません。日本を射程に入れた中国の中距離ミサイルは60基以上の配備が確認されています。
正直なところをいえば、日本は隣国に恵まれていません。日本を取り囲むロシアも中国も北朝鮮も核保有国であり、近海でミサイル発射実験が堂々と繰り返されているのが現実なのです。冷徹な国際政治の交差点で、公明党のように青信号で無理やりブレーキを踏もうとする方が危険なのではないでしょうか。
公明党はかつて、インド洋にイージス艦を派遣する際も当初は反対し、防衛庁が「イージス艦は他の護衛艦より、空調がよく、隊員の負担が少ない」と説明すると、「人道的だ」として派遣を認めました。イージス艦の持つ戦略的意味よりも、自らの組織の婦人部などにどう説明して納得してもらうかしか考えていないかのような対応でした。
いいかげん、国際社会の現実に目をつむり、日本の正常化の足を引っ張るのはやめていただきたい。自らが手足を縛った自衛隊に対し、いざというときだけ「何とかしろ」と言っても無理な相談です。自分と家族の身を案じる一人の国民として、心から、公明党にお願いしたいと思います。


by kakasai
東京を離れて署名してきました…