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朝日新聞がパール判事について触れなかったこと

2006/07/12 12:48

 


   今朝の朝日新聞は、極東国際軍事裁判(東京裁判)のインド代表判事だったパール氏について取り上げています。紙面を3ページも使い、インドでの現地取材もまじえた力作で、被告全員無罪を主張したパール氏の真意はどこにあったかをいろいろと分析していますが、肝心のパール氏自身の言葉の紹介がとても少ない。パール氏が自ら語ったことには最小限しか触れずにパール氏についてあれこれ論じた、不思議な記事構成となっています。

   朝日は1面の記事紹介の文章の中で、「パルは、日本の戦争責任を否定する論者にとって、ほとんど神格化された存在だ。彼の意見書は『日本無罪論』とまで言われる。しかし、故国インドでの彼の歩みをたどってみると、異なる姿が浮かび上がってきた」「彼の本意は、日本の軍国主義の正当化にはなかった」と書いています。

   ふーん、「神格化」ねぇ。そんなことしている人、見たことも聞いたこともないけどなあ。「軍国主義の正当化」って、そんなわけ最初からないじゃん。また、自分と異なる意見の人に勝手にレッテルを張って、その前提に立って相手を批判するという朝日一流のやり方か‥。

   要するに、パール氏は特に親日でも日本の立場を擁護しようとしたわけでもなかったということを、これでもか、これでもか、と言いたいわけですね。識者のコメントでは「彼にとっては『日米同罪』」との見出しもつけています。

  確かに、パール氏は「私は日本に同情するがため、かの意見を呈したのではない。私の職務は真実の発見である」と語っています。朝日はだから日本無罪論ではないんだ、と言いたいようなのですが、果たしてどうでしょうか。パール意見書の冒頭には次のようにあります。

   「本官は、各被告(いわゆるA級戦犯)はすべて起訴状中の各起訴事実全部につき、無罪と決定されなければならず、またこれらの起訴事実の全部から免除されるべきであると強く主張する」

    これってどう読んでも無罪論ですよね。また、パール氏はまた、米国の行動についても怒りを込めてこう指摘しています。

    「もし非戦闘員の生命財産の無差別破壊というものが、いまだに戦争において違法であるならば、太平洋戦争においてはこの原子爆弾使用の決定が、第一次世界大戦中におけるドイツ皇帝の(無差別殺人の)指令、および第二次世界大戦中におけるナチス指導者たちの指令に近似した唯一のものである」

    「日本とドイツに起きたこの二つの国際軍事裁判を、他の国の法律学者がこのように重大問題として真剣に取り上げているのに、肝心の日本において、これが一向に問題視されないというのはどうしたことか。これは敗戦の副産物ではないかと思う。米国の巧妙なる占領政策と、戦時宣伝、心理作戦に災いされて、過去の一切が誤りであったという罪悪感に陥り、バックボーンを抜かれて無気力になってしまった」

    日米同罪という主張のようには思えませんが、どうでしょう。朝日はパール氏が日本に特に思い入れはなかったというストーリーをどうしても作りたかったようですが、パール氏は日本の京都がお気に入りで、晩年は「京都に骨を埋めたい」とまで話していたそうです。ただ、そうした思いと意見書の中身、公正さは別だというだけのことではないでしょうか。

    自身もA級戦犯容疑者とされて獄中生活を送った岸信介元首相は、21年11月14日にパール氏の全員無罪の意見書を日本タイムスの報道で知り、同紙以外の新聞が一部しかこれを報じなかったことに怒り、次のように日記に書いています。

    「之は各新聞社の卑屈か非国民的意図に出づるものである。之等の腰抜共は宜しくパール判事の前にき死すべきである」

    実は私、パール氏の息子さんのプロサント・パール氏と握手を交わしたことがあるのが自慢です。それは11年前のことで、都内で「アジアの独立を祝う夕べ」というパーティーが開かれた際のこと。来日していたプロサント氏はこう挨拶を述べました。

    「日本を心から愛した父は、日本人に愛されていると実感しました。みなさんは家族であり宝。私はこの感動を持ってインドへ帰ります」

    私もついうれしくなり、プロサント氏に片言の英語で「私はあなたのお父上を尊敬しています」と話しかけました。プロサント氏も満面の笑みで「ありがとう」と答えてくれ、がっちり握手をしたというわけです。

    ちなみに、昨年4月にインドに外遊した小泉首相(私も記者団の一人として同行しました)も現地の経済団体との昼食会でパール判事の功績に言及し、「アジアにはインドという日本の友がいる」と述べ、大きな拍手を受けました。現地の新聞も、パール氏の東京裁判での意見書について書き、「中国インドとは違う」と強調していました。

    もちろん、朝日はこんなエピソードは一切載せませんでした。というより、首相のインド訪問自体が信じられないぐらい小さな扱いで、同行した朝日の記者も嘆いていたほどでした。まあ、中国しか眼中になく、インドとの友好などどうでもいいということだったのでしょね。

カテゴリ: 政治も  > 政局    フォルダ: 指定なし

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コメント(22)

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2006/07/12 14:49

Commented by こぬま さん

今日は。
朝日がパール判事の特集と言えば無理なこじつけ論法が得意ですね。インドはイギリスの植民地だった、と言う事は書いて無いんでしょうね。大事な事なんです、独立運動を日本は助けたと言う事実は歴史的に重要事項です。
インドにとっても大変な出来事です。

しかし、パール判事は公正な評価を下したと言える。
日本軍が悪いことしたというのなら、東京大空襲はなんなんだ?広島は?長崎は?

有名なリンド・バークだって自分たちの野蛮性を冷静に暴露している。

戦争なんだから日本軍の悪いところもキチンと指摘もするがそれ以上な暴挙働いてはいませんか?
と言うことだと思います。
仕掛けたのはどちら?とも。

インド蒋介石ルートから近いですからイギリスアメリカがどの程度蒋介石に軍事援助与えたのかも承知していたでしょうし。

火のないところに火を付けたがる人達に飼料与えたり、自分の都合に合わせて資料つなぎ合わせて文章書かせたら天才朝日です。
尊敬申し上げます。
絶対に購読しませんが(笑)

こういったものをみますと朝日的な思考方法、世論操作に綻びが見え始めたんでしょうね。
昨年から朝日の勧誘が執拗です。
想像ですがかなり購読者が減っているのでは?

我が国にとって支那を取り囲む国家は大変重要な国家です。インドは歴史的にみて友好国として最適です。
まあ、左がかった人達の『我が国はアジアで嫌われている』みたいな言論全部嘘ですからね。ほとんど好意的です。

朝日的な論考信じる一部空想的平和論者、並び我が国何でも悪い史観に染まった人達には受けることでしょうね、ほら朝日がパール判事についてこう書いているぞって。

 
 

2006/07/12 15:16

Commented by hiro さん

遅い昼食を取りつつ 開いてみると、ずばりストレートな朝日ネタ(^-^) ご存知でしょうがネットで 産経VS朝日は人気ネタです! ぜひお願いします(..)

 
 

2006/07/12 15:39

Commented by 阿比留瑠比 さん

こぬま様
 今までパール判事についてほとんど書いてこなかったのに、書いたと思ったらいきなりこうですからね。あちこちによく取材したいい記事ではあるんですが、そもそもの発想と記事の狙いがこうでは‥

 
 

2006/07/12 15:48

Commented by 阿比留瑠比 さん

hiro
 ご期待に添えるかどうか。前向きに検討させていただきます(官僚答弁)。

 
 

2006/07/12 16:18

Commented by kinny さん

森前首相は、核武装以降のインドとの政府レベル、民間レベルの交流を大いに推し進めた人だった。
その派閥から出た現総理閣下も大いにその存在価値を認め、協力関係をさらに拡大している。

これが今どれだけ効いているか...

神の国発言で、愚かしくもヒステリーにこきおろした朝日(チョウニチ)のようなバカ新聞は、大事なことを何も見ていないので、産経諸氏には一層、政治外交の本質をえぐってもらいたい。

 
 

2006/07/12 16:26

Commented by 阿比留瑠比 さん

kinny様
 実は森首相のインド訪問にも同行しました。あのとき、同行した政府高官は「インド中国なんかよりよぼと将来性がある」と喜んでいたのですが、その後も日印関係はそれぼと進んでいません。中国進出企業の何割かがインドに目を向けてくれたらなあと思います。

 
 

2006/07/12 16:30

Commented by - さん

朝日新聞が、東京裁判における判事パルの話を持ち出し、文春は、作家の上坂冬子さんが、加藤さん、古賀さん、前宮司の三者から靖国参拝について対談し、各々の考え方を、問うている。

今回の戦争と靖国参拝を巡る問題は果てしなく続くのでしょうか?

 
 

2006/07/12 16:42

Commented by 阿比留瑠比 さん

車好き隠居様
 日本人が先生に叱られた子供のようにびくびくしている限り、いつまでも続くのではないでしょうか。中韓の干渉にも堂々として動じなければ終わるのでしょうが‥。

 
 

2006/07/12 19:30

Commented by ryosuke さん

あびるさん!ブログをいっぱい書けるように、記事検索できるように対処しましたよ~。心優しい部長に感謝しなさいよ!KESENさんが帰国したら、杜の都会を開きましょう!

 
 

2006/07/12 19:30

Commented by - さん

パール判事を神格化してるのは
名越二荒之助とか国際派日本人養成講座の伊勢某にのせられたウヨク連中でしょ
と思ってたら

パール博士顕彰碑建立委員会」(委員長瀬島龍三)
オヨヨ

まあ
「日本無罪論」という言葉も田中正明が作ったことが世にしらしめられたのはよいことでありんす

 
 

2006/07/12 20:03

Commented by kinny さん

阿比留瑠比さん
森前首相のインド訪問から、現在までの日本の対インド投資はそれまでにくらべ、めざましいものだ。
ただ対中国があまりに太い流れなため、残念ながら見劣りしてしまうのだ。
ただ外交的には現在、大変な国益をもたらしている。

パル判事
パル判事を神格化している人がいたとは驚きだ。
日米開戦が自衛行動であったことは、敵であるマッカーサーすら証言しているほどに普通のことで、さして特別なことでもないが。

 
 

2006/07/12 20:33

Commented by 阿比留瑠比 さん

ryosukeさん
 検索システムは活用させていただきます。杜の都会、いいですね。

 
 

2006/07/12 20:34

Commented by 阿比留瑠比 さん

amber19850921様
 顕彰碑を建てるから神格化というものでもないと思うのですが‥

 
 

2006/07/12 20:35

Commented by 阿比留瑠比 さん

kinny様
 もう少しインドの街中で日本車や日本の家電が見られるようになるといいのですが。これからに期待します。

 
 

2006/07/12 21:45

Commented by - さん

先日からの捏造シリーズ(?)、
楽しくと言うか怒りをもって拝見させて頂いてました。

しかしなんで朝日は今の時期にこんなネタを投下するんでしょうか?
「敵地攻撃」論への牽制なんでしょうか?
「敵地攻撃」論への社説も筋すら通ってなくて
支離滅裂ですし・・・。
もうほんま何がしたいのやら・・・
プロの仕事とは思えないです。

なんかある度にアレ反対、コレ反対って、
たまには建設的な意見載せろっちゅーねん!

そんな朝日が売れてるって言うんだから世間もわかりません。

 
 

2006/07/12 22:06

Commented by 阿比留瑠比 さん

GIEN様
 彼らも、相当追い詰められているんじやないでしょうか。といってもしぶといですけどね。

 
 

2006/07/12 23:18

Commented by nekopon さん

こんばんわ。

なんだかんだ言っても朝日が多くの定期購読者を抱えている事実はあるわけです。

さしあたり、朝日という反日システムの末端を担うASAの収益力を落とすべく、朝日に折込チラシを入れているスーパーや商店に対しては、その故にアンタの所ではモノは買わないと伝えるなどの行動をしたいと思います。ASAは読者が一人二人減っても、すぐに拡張員に命じて新しい読者を捕まえます。それよりもASAに打撃なのは、折込チラシの数が減ることなのです。

正直「変わりモン」扱いされるでしょうが、まあいいでしょう。高杉晋作も「変わりモン」だったはずですから!

 
 

2006/07/13 09:28

Commented by 阿比留瑠比 さん

nekopon様
 いつもご苦労さまです。そういえば、安倍晋三官房長官の「晋」も高杉晋作からとったものだそうですね。

 
 

2006/07/14 01:30

Commented by nekopon さん

こんばんわ。

なるほど、お父上の「晋太郎」の「晋」もそうなんでしょうかね?
明日、土曜出勤の代わりに代休を貰いましたので、「みたま祭」に行ってきます。
改めて「パール博士」像にもご挨拶申し上げることとしましょう。

 
 

2006/07/14 08:01

Commented by 阿比留瑠比 さん

nekopon様
 きっとお父上の方もそうでしょう。吉田松陰という人格と松下村塾という存在は、なにか奇跡のような気すらします。

 
 

2006/07/15 04:20

Commented by iza5391 さん

東京裁判後に再来日したパール博士に、日本人が「同情的な判決」を感謝すると、博士は「それは大変な誤解だ。真実を真実として認め、法の真理を適用しただけ」と応じたという。真の国際法学者だった。維新の志士らが眠る京都東山の霊山に博士の顕彰碑がある。

 
 

2007/08/15 10:39

Commented by san-baka さん

To iza5391さん
>東京裁判後に再来日したパール博士に、日本人が「同情的な判決」を感謝すると、博士は「それは大変な誤解だ。真実を真実として認め、法の真理を適用しただけ」と応じたという。真の国際法学者だった。維新の志士らが眠る京都東山の霊山に博士の顕彰碑がある。

バカがバカと傷のナメアイをしているわいとざっと流れを読んでいたら、さすがにきちんと事実を見ている方もおいでですな。

都合のいいところだけをつまみ食いする、サンケイ新聞らしい姿勢には、もう辟易してる。(だったら読むなと言われそうだが、他人様の醜態と失敗は蜜の味ですからな、やめられませんって、アハハハ)

サンケイもアビルンちゃんも、尿毒症にお気をつけになったらいかがでしょう。

もう少し、つまみ食いしているところのすぐそばまで、賞味しないと栄養失調で倒れまっせ。

 
 
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