本日、安倍首相の元秘書と現秘書が、週刊朝日の編集長や発行元の朝日新聞社に対し、損害賠償と謝罪広告掲載を求めて東京地裁に提訴しました。確か小渕元首相の時代も、首相秘書官が出版社を訴えましたし、森元首相のときも何かあったように記憶していますが、相手が新聞社というのは異例でしょうね。そこで本日は、訴状に書かれていることについて紹介します。
まず、訴状は、原告(元秘書)らが長崎市長銃撃事件を起こした「山口組系水心会幹部から脅かされていた事実は全くない」と指摘しています。つまり、週刊朝日に掲載された記事を、その前提から否定しています。週刊朝日は、警察庁幹部がそうした内容を証言したと書いていますから、その証言自体がどうなの?、ということですね。関係者は、「冷静に考えて、どうして長崎ローカルの暴力団から秘書が脅かされるのか」と指摘しています。そりゃそうですね。
また訴状によると、安倍首相が訪米に出発した4月26日午前10時30分の直後に、週刊朝日の山口編集長から安倍氏に謝罪にうかがいたいとの申し入れがあったそうです。これに対し、安倍事務所側は、安倍氏が出発後で本人に伝えられないこと、25日付朝日朝刊の隅の小さな、週刊朝日の記事内容に何ら触れることのない記事をもって「謝罪」とする朝日側と会うことはできない旨伝えたとのことです。
さらに同日、山口編集長から「記事は安倍晋三首相と射殺犯の関係を報じたものではありませんが、一部広告であたかも直接関係があったかのように受け取られる不適切な表現がありました。安倍首相のご発言を聞いて、心の痛む思いです。重ねておわびします」などと書いた手紙が郵送されてきたとのことです。ただ、この手紙の中でも、一番傷ついた元秘書らへの謝罪は一切なかったといいます。
…こうして見ると、朝日サイドは、なんとかことを穏便に収めようとはしたものの、安倍首相に対して詫びるだけで、一番被害を蒙った元秘書(※4月25日の私のエントリ参照)については、眼中になかったようです。安倍氏が何に対して一番怒っているかは、ちょっと自社の元安倍番記者にでも聞けばわかることでしょうに。
朝日は安倍首相の激怒を受けて、紙面などでお詫び記事を掲載しましたが、それはあくまで広告の行き過ぎを謝罪するもので、記事自体の誤りは認めていなかったことが、今回の提訴に結びついたようです。で、朝日側に求められた謝罪広告の文面は以下のようなものです。
《平成19年4月24日付朝日新聞朝刊に掲載された週刊朝日の新聞広告及び同誌記事において、安倍首相の元秘書が長崎市長射殺事件の容疑者が所属する暴力団から脅かされていたとの記事を掲載しましたが、そのような事実はまったくありませんでした。
なお、平成19年4月28日には朝日新聞朝刊社会面、毎日新聞朝刊社会面、岐阜新聞朝刊社会面及び中日新聞朝刊に「お詫び」と題する記事の中で「記事は、首相の元秘書が長崎市長射殺事件の容疑者の所属する暴力団の組織の幹部などから被害を受けていたとの証言などを伝えたものでした。」と記載しましたが、全く事実に反する記事でした。この記事を取り消させていただきます。
さらに週刊朝日(平成19年5月18日号)誌上でも「おわび」と題する記事を掲載し、あたかも安倍首相の元秘書がとの広告や記事を掲載しましたが、まったくそのような事実はありませんでした。この記事を取り消させていただきます。
安倍首相及び元秘書の方並びに関係者の方々には二度にわたり大変な迷惑をおかけしました。衷心より深くお詫び申し上げます。》
ちなみに、謝罪広告に使用する文字は①表題及び作成名義人の記載は12ポイントのゴシック体②本文は10ポイントの明朝体。大きさは社会面に2段・横5センチと指定してあります。果たしてこれを朝日側がのむでしょうか。あるいは争うのでしょうか。
それと、細かいことを言うようですが、知人からウィキペディアに私のことが出ていると知らされ、見てみました。すると、《阿比留は安倍への記者会見でこの件について質問し、安倍は「一切関係がありませんし、これは全くのでっち上げで、ねつ造」と反論した(安倍首相の怒りのコメントと懲りない朝日新聞 2007/04/25 12:36)。これについて、『日刊ゲンダイ』や山岡俊介は、この会見は普段は若手記者が行うものであるのに、そうではない阿比留が行っていること…》とありました。
あの、私は別に記者会見でこの件について質問していませんし、若手記者が行う首相ぶらさがりにも顔を出していません。それについては、その場にいたたぶん10数人の記者が知っていることです。ほんの少しでも確かめようと思えば、すぐわかることだと思うのですが。


by akizuki
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