本日、久間章生防衛相が安倍首相に防衛相を辞任する考えを伝え、了承されました。後任は小池百合子首相補佐官か。ふぅ。これについてもいろいろと思うところ、考えるところはあるのですが、久間氏辞任については新聞紙面にまず書くことにして、今回のエントリは、朝鮮総連傘下団体から違法な献金を受け、それを政治資金収支報告書に記載していなかった疑惑が指摘されている民主党の角田義一前参院副議長の近況について書きたいと思います。
今国会では、政治とカネをめぐり、さまざまな問題が指摘され、小沢不動産問題をきっかけに、政治資金管理団体による不動産の所有を禁止する政治資金規正法改正も実現しました。この点については、本紙の問題提起が国会を動かしたと言えそうです。ただ、ナントカ還元水の問題は、松岡利勝農水相の自殺でうやむやになりましたね。
そんなさまざまな問題の中でも、拉致事件に関与したとされる朝鮮総連傘下団体から献金を受け、しかもそれを裏帳簿で処理していたと証拠物件まで突きつけられたのが、角田氏でした。一連の政治とカネの問題で一番悪質で、まさに「国を売る行為」(民主党衆院議員)をしいた疑惑が持たれているのです。にもかかわらず、この人は参院副議長のポストこそ辞したものの、すぐ民主党会派に復帰して、何一つ説明しないまま何事もなかったかのように今回の参院選後には引退します。
民主党は今年4月、角田氏を「厳重注意」処分としました。しかし、これは党除籍や役職停止など8段階の処分のうち2番目に軽いものにすぎず、実質的に何の不利益も受けないものです。これについて民主党の鳩山由紀夫幹事長は「現在知りうる情報をもとに処分した。さらに新しい事実が出てきたときは、新たな措置を考えなくてはいけない」と述べましたが、実際はどうだったでしょうか。
前置きが長くなりましたが、わざわざ本日、角田氏について書こうと考えたのは、角田氏が昨日(2日)、群馬県知事選に関して、群馬県庁で記者会見をしていたと知ったからです。前橋支局でデスクをしている同期に、そのときのやりとりメモを送ってもらい、読んでみたところ、ふつふつと怒りが沸いてきたのです。まずは、記者会見の中から、角田氏の政治資金問題に関係する部分を紹介します。
《記者 (民主党の石関貴史衆院議員側は、角田氏が群馬県連の最高機関である)最高執行役員会議の開催を拒否していると言っているが
角田氏 (少し語気を強めて)私は副議長を辞めさせられた。そんな最高執行役員会議なんでできるわけがない、誰が考えたって。自分の政治判断で辞めたけど、同じ政党の中で信頼関係は全くないもの、一緒になんかやれない。
記者 (角田氏の)政治資金収支報告書の未記載問題をめぐって、群馬では民主党の分裂が決定的になった。有権者に不信感を与えていると思うか
角田氏 民主党をぐちゃぐちゃにされた。申し訳ないと思っている。ひどい話だ、我々が営々と引き継いできたのに。ただ、そのことは知事選とは直接関係ないと思う。私は老兵なので去っていくが、若い人たちは群馬の民主党の信頼をどう回復するのかは大変な課題なので、申し訳ないと思っている。
記者 未記載問題の調査が不十分で説明責任が果たされていない中で、(知事選に向け)具体的な行動をするのはどうかといわれているが
角田氏 全然関係ない。民主党中央本部の常任幹事会という最高機関から「厳重注意」の措置を受けた。鳩山由紀夫幹事長が「これがけじめです。これで終わりです」と言ってくれた。》
…鳩山氏が角田氏の処分時に、記者団に話したことと違いますね。角田氏が鳩山氏の発言を捏造したのでなければ、鳩山氏は角田氏の疑惑に関して真相を究明する気など、さらさらなかった上に、それを疑惑の当事者にもはっきりと伝えていたことになります。
政治とカネの問題は、与野党間の政争の様相も示していたので、いかにも、という感じがしないでもありませんが、少なくとも鳩山氏に松岡氏のことを追及できた義理ではなかったことは確かでしょう。記者会見は続きます。
《記者 (県連内で)知事選の対応を話し合う機会は
角田氏 全くなかった。(石関氏側から)呼びかけはあったが、信頼関係がないから最高執行役員会議なんか開けないというのは、伊藤(基隆)座長、私、富岡参院議員の3人とも同じ考え。呼びかけがあったけど応じなかった。もう県連は機能していない。
記者 まだ、(角田氏の)不正経理問題の説明責任が果たされていないのではないか。副議長辞任記者会見のときも、「資料が流出して調査できない」ということだったが、今は県連の長沼広事務局長のもとに資料があると思う。その中で、(角田氏)ご自身の口から説明が果たされていないと思うが
角田氏 (質問を制止するように)それはあなたの考え。それについてはお答えしません。お答えしません。私は党本部で厳重注意の処分を受けており、決着をみたと思っている。あなたの質問には答えない。答える答えないは私の自由です、はっきり申し上げて。
記者 政治責任をとられて断腸の思いで副議長を辞められたと、憤っている気持ちは分かるが、国民の側としては説明責任を果たしていないのは明らかだ。答える答えないは自由だが、少なくともこれまで角田さんがいろんな政治資金の問題で(与党を)追及していた姿勢からみると、落差が大きすぎると思うのですが
角田氏 (質問を制止するように、語気を強めて)それはあなたのご意見として承っておきます。これ以上答えません。何を言われても答えません。もう一件落着しているんです。党本部から措置を受けているんですから。私はそう理解していますから、それ以上聞かないでください。ここにケンカしに来たわけじゃないんだから。》
…角田氏の頭の中では、自身の疑惑は「決着を見た」「一件落着している」話のようです。しかし、繰り返しますが、角田氏はこの違法献金・裏帳簿疑惑に関して何もまともに説明していないのです。そして、まるで自分は被害者であるかのような顔で、質問する記者にくってかかっているようです。一体何様のつもりなのか。
角田氏の疑惑に関しては、私も1月25日のエントリ「角田参院副議長に『陣中見舞い』を贈った人たち」の中で、裏帳簿に記されている献金者の中に、総連傘下団体のほかに群馬県教組や部落解放同盟、民主党の輿石東参院議員会長の名前があったことを指摘し、民主党のこの問題解明に対するやる気のなさについて書きました。
また、3月7日のエントリ「角田前参院副議長の総連献金疑惑に新たな進展!?」で、読売新聞が写真入りで報じた角田陣営の入・出金伝票や領収書の控え、会計帳簿に対する民主党群馬県連の反応などを紹介しています。
はっきり言って、角田氏の疑惑の状況証拠、心証は限りなく「真っ黒」に近いものであると思います。それなのに、ただ参院副議長を辞めただけで「けじめ」だのと言って、平穏に議員生活をまっとうしようとしています。マスコミも世論も与党に厳しいのは仕方がないし、ある意味当然でもありますが、なんだか、少しバランスを欠いているような気もするのです。


by akizuki
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