ごぶさたしています。本業の方で、いろいろと記事を書かなければいけなかったのと、選挙中は何を書いても、これは特定政党・個人の応援だと指摘されかねない部分もあって、何だか思うように筆が進みませんでした。エントリをさぼっていた間も、たくさんの方にコメントを寄せていただき、感謝しています。
さて、本日は北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙、労働新聞が安倍首相と安倍政権について何と言及してきたかについて書こうと思います。私はハングルはさっぱり読めませんが、幸いなことに朝鮮総連の機関紙、朝鮮新報がときどき、労働新聞の論評を日本語で掲載しているので、それをもとにします。まあ、何というか、北朝鮮がいかに安倍政権を嫌がっているかが、実によく分かります。それと同時に、いかに注意深く日本社会の動向を観察しているかも…。
まずは、労働新聞の7月11日の論評「安倍内閣支持率急落は当然」からです。論評はまず、安倍内閣の支持率が「6月初めの30%ラインから最近は28%に下がった」と指摘し、「安倍政権が、対内外政策の誤りと失敗により苦境に陥っている」と書いています。7月はじめの世論調査で28%って、どこの社だったかな。そして、こううれしそうに嘲笑してみせます。
《安倍一味は、問題が起きたあとにそれを収拾しようと躍起になっているが、それは内外の非難と失笑を買うだけだ。今回の参院選で自民党が敗れた場合、安倍の政治的運命が維持されるという保証はない。歴史は、俗物が人民の裁きを受けてドブの中に放り込まれるのは避けられないということを示している。安倍一味の運命も決して例外ではない》
北朝鮮が、参院選の行方をある期待をもって見守っている様子が分かりますね。まあ、当然予想できることではありますが。人民の裁きねぇ…。数百万人の人民を餓死させた北朝鮮に言われたくはありませんが、それはともかく、次にいきます。6月8日の労働新聞は「無能でぜい弱な安倍政権」という論評で、安倍政権のスキャンダルを取り上げています。日本のどこかの新聞と、論調が似てなくもありません。
《安倍政権内で相次ぐ各種のスキャンダルと政策一致、失言などは、安倍の政治的無能と政権運営上の弱点から生まれたものである。歴史わい曲は、安倍政権の政策的立場であり、意志である。(中略)安倍政権がわが国に圧力をかけようと途方もない「拉致問題」をもってこの国、あの国をせわしく訪れても、得るものは何もない。安倍政権は、現実を冷徹に見て政治的無能とスキャンダルで混乱に陥った国内問題を正すべきである》
お説教をたれていますね。それだけ、安倍首相がすべての首脳会談で拉致問題について説明していることに困っているのでしょう。「得るものは何もない」だって…。坊主憎けりゃ袈裟まで、といいますが、5月14日の労働新聞は、安倍首相の中東歴訪について「安倍の中東『エネルギー外交』批判」という論評を載せています。ほとんどいいがかりですが、先日のエントリで紹介した金日成主席の言葉にやはり似ていますね。
《日本は軍事大国化、核大国化を積極的に進めようとしている。こうすることで、日本は何としてもアジアの「盟主」になって地域諸国を支配し、隷属させ、意のままに天然資源を略奪しようとしている。安倍が言った中東の「新時代」とは本質上、同地域の国々に対する支配と隷属、搾取と略奪の新時代を開いていくということである。日本軍国主義の侵略的、略奪的本性はいつになっても変わらない》
その前日、5月13日の論評「安倍を手厚くもてなしたブッシュの企図」は、安倍首相の訪米についての評価です。敵意むき出しです。率直に言って、下品だと感じました。
《上司と手先の関係で特徴づけられる米日間の協力関係は、目下の同盟者が目上の同盟者にへつらい、上司は手先をなだめ、共に自らの黒い胸中を満たす共謀・結託である。プッシュと安倍の今回の会談(4月27日)は、凶悪な主人と目ざとい下手人の醜態をいま一度世間に示した犯罪的な野合だといえる。(中略)ブッシュは米国を訪問した安倍を手厚くもてなし、日本軍「慰安婦」問題に対する彼の目くらましの「謝罪」を称賛する一方、「拉致問題」に対する米国の公式的な支持を表明した。(中略)とくに、米国は侵略的対朝鮮戦略の実現で日本を突撃隊に仕立てようとしている》
ここでも、労働新聞は拉致問題に言及しています。明らかに気にしていますね。ただ、私も、早く北朝鮮に日本が米国の手下などと言われない日米関係になってほしいなとは思っています。日米同盟が対等なものになるそのためにこそ、日米同盟の片務性を改め、双務性を高める集団的自衛権の政府解釈の見直しが求められていると考えています。
それで、4月10日の労働新聞の論評も拉致問題に関してで、「『拉致問題』提起する安倍政権の狙い」というタイトルです。これは、「日本が『拉致問題』でいっそう躍起になって取り組んでいる」「『拉致問題』について言えば、それはもはや存在しない問題である」と日本が到底受け入れられないことを書き、慰安婦問題を強調しています。
《安倍政権が「拉致問題」に躍起になって取り組む裏には、日本軍「慰安婦」犯罪をはじめ血なまぐさい過去史をわい曲、否定することにより、過去の清算を回避しようとする犯罪的企図が隠されている。その一方で、「拉致問題」を掲げて国際的孤立と窮地から脱しようとしている。(中略)日本は、日本軍「慰安婦」問題をはじめ過去の罪悪を率直に認めて清算する道に進むべきである》
これも過去のエントリで書いたことですが、北朝鮮は、意図的に慰安婦問題をクローズアップすることで、拉致問題を相対化・矮小化しようとしていると見ています。つまり、北から見れば、自分たちがそうだから日本もきっとそうしているのだと思いこんでいるのでしょうね。溜め息が出ます。1月31日の労働新聞の論評「安倍政権の危険な軍国化企図」は、靖国問題と憲法改正についてこう決めつけています。
《日本の執権自民党がこのほど行った党大会で、「靖国神社参拝を受け継ぎ、国の礎となられた方々に対して謹んで哀悼の誠をささげる」(党運動方針)とした。一方、首相の安倍は「憲法改正に取り組む」と妄言を吐いた。(中略)前首相小泉が執権期間、世界的な抗議と反対にもかかわらず靖国神社に何度も参拝して周辺諸国との関係を冷え切ったものにしたのはそのためである。しかし、現安倍一味のように執権自民党大会で靖国神社参拝を続けるとあえて公言できなかった》
1月22日の論評「安倍首相の欧州訪問は失敗」には笑いました。いきなり「倭国」という言葉が出てくるからです。まあ、古代から意識があまり変わっていないのかもしれません。
《率直に言って、倭国に対する欧州の視線は冷たい。(中略)倭国が過去の清算の義務を履行せず、戦犯国の汚名もそそげずにいるありさまなのに、国連の責任あるポストを占めようとするのは自分の境遇も知らない者の軽率で笑止な行動だ。倭国の当局者らは国際社会の信頼を得なければ何も得られないということをはっきりと知るべきだ》
北朝鮮がそんなに威張れるほど、国際社会の信頼を得ているとは寡聞にして知りませんでした。以上、今年に入ってからの論評をいくつか見てきただけでも、北朝鮮がいかに安倍政権を敵視しているかと同時に、その一挙手一投足に高い関心と注意を払っているかがうかがえます。それだけ本音としては、早く日本と国交正常化して1兆円以上ともいわれる経済援助を引き出したくて仕方がないのでしょうね。
北朝鮮が6カ国協議の場などで、いかに日本を無視しているふりをして見せても、日本とそのお金がない限り、自分たちが立ち行かないことは、いやというほど分かっているのでしょう。だったら、意地をはらずに早く拉致被害者を返せば、日本人は非常に寛大かつ忘れっぽいので、これまでの経緯にこだわらずに北朝鮮支援に応じるだろうに。安倍首相も「日本側の扉はいつでも開かれている」と言っていますし…。


価学会とズブズブの関係になり果ててしまっていますね。
by akizuki
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