先日のエントリで、朝日新聞がかつて拉致被害者を「行方不明者」と書いていたことを指摘しました。でも、よく考えると、拉致問題に冷たかったのは朝日だけではありません。自民党議員を含め、多くの政治家の言動も冷淡でした。
そこで、公正を期す(?)ために、私が以前、個人的に記録していた拉致関連発言録の一部を紹介します。よく知られた発言ばかりかもしれませんが、改めて振り返ると、情けなくなります…。
「(北朝鮮からの食糧支援要請は)最大限、尊重するというのが日本の立場。(拉致問題など)個別案件で支援要請に従えないというなら、よほどの議論が必要だ」
「(北朝鮮が)困っているときに、拉致事件などの問題が解決しないと援助できないというのでは、彼らの気持ちは和らげることができなくなってしまうのではないか」
・平成10年4月7日、自民党の野中広務氏が党本部での講演で
「拉致疑惑があるから食糧を送るなとの意見が強いが、(北朝鮮とは)従軍慰安婦や植民地、強制連行があった。近くて近い国にしたい。壁を破ってでも食糧援助すべきだと思って環境整備している」
・平成13年5月18日、田中真紀子外相が衆院外務委員会で
「拉致疑惑があるからけしからんという意見もあるが、(食糧支援は)50万トンと言わず、100万トンでも出した方がいい。政治はタイミングだ。ベストと思うときにどんどんやるべきだ」
・同年10月30日、植竹外務副大臣が参院内閣委員会で
「コメ支援と日朝国交正常化は別問題。鬼の目にも涙で、誠意を持って対応すればそれが必ず分かってもらえる」
・同年11月、社民党の辻元清美氏がインタビューで
「北朝鮮には補償も何もしていないのだから、そのことをセットにせず、9人、10人返せとばかり言ってもフェアじゃない。拉致問題解決よりも北朝鮮との国交正常化を優先させるべきだ」
…みんな、なんでそんなに北朝鮮に援助したかったのでしょうか。「話せば分かる」式の日本的なナイーブな議論や、思いこみによる贖罪意識が横行しているのも気になります。北朝鮮がどんな国かなんて、当時だってちょっと調べれば分かることなのに。
このころには、北朝鮮の工作員が韓国で捕まるなどして、いろいろな証言もしていましたし、本当に日本人の生命・財産・人権に関心が薄い政治家が多かった(今も?)ことに呆れてしまいます。自国民は守ろうとせず、外国に支援することで自分は立派な人物だとナルシシズムにひたっていたのでしょうか。
朝鮮総連の政界工作がそれだけ浸透していた、ということなのかもしれません。現在では、さすがに総連にそんな力はないようですが(油断してはいけませんが)。
個人的な関心事項だからということもあるのですが、私の場合、政治家を見るとき、順不同ですが①拉致事件②教育(教科書問題)③安全保障④靖国スタンス⑤皇室~などにどう対応するかが評価の基準になっているようです。
そして、上に挙げた事項すべてで信頼できると感じているのが安倍晋三官房長官なのです。新聞記事については、よく厳しい読者から「提灯記事」「政府べったり」などと叱られるのですが、われわれの実感としては「政治家をほめる記事はまず載らない」というものです。私もかつて、何度か彼の言動をほめる記事を出稿して、デスクから「こんなの誰も読みたくないんだよ」と書き直しを命じられたことがあります。
是々非々で、いいことをしたときぐらい評価してもいいじゃないか。こう思うのですが、記事は主に批判か皮肉が主流です。こういうものは、特に抵抗なく掲載されます(内容がまともであれば)。
ですが、私的な意見が表明できるブログであれば、安倍氏のことをほめてもいいわけです。いやあ、紙面以外に表現の場があるって便利ですね。活用させてもらいます。
月刊「Voice」10月号の対談記事で、政治評論家の屋山太郎氏が私と同じ見方を示していたので紹介します。屋山氏は安倍氏と小沢一郎氏の双方をよく知っています。
《屋山 まともに憲法や教育基本法を出すと、民主党はもちません。小沢さんに何か見識があるかというと、それもない。安倍さんと小沢さんが党首討論で対決するとなれば、小沢さんはおそらく負けるでしょう。歴史観や国家観についての識見が段違いです》
全く同意見です。でも、これだけはっきり言うところが、屋山氏はやっぱりさすがだなぁ…。


by saxophone
短信・金環日食で始まる一日