週末からきょうにかけて、新聞には各種の世論調査の結果が出ていました。相変わらず、福田内閣の支持率は下降傾向が続いているようです。まあ当然でしょうが。普通に考えて、この時期にこういう政治をやっていて、支持率がアップする方が不思議ですからね。でも、まだ3~4割の国民の支持は一応維持しているわけで、むしろよくもっているなあと妙に関心してしまいます。
まず、東京新聞が16日朝刊で報じた時事通信の調査(8日~11日実施)では、福田内閣の支持率は前月比2ポイント減の32.5%(不支持率43.2%)で、不支持率が4割を超えたのは昨年9月の政権発足後初めてだそうです。この記事で興味深かったのは年代別の支持率の記述でした。福田政権を支えているのが年配者であることが分かります。記事にはこうあります。
《支持は20歳代が1割台に低迷したのに対し、70歳以上が5割、60歳代でも4割を超え、年代による違いが顕著になった》
やはり、と感じました。調査方法が社によって違うので一概に言えない部分もありますが、安倍前首相のときには、世代間でここまで明確な差はありませんでした。私は昨年11月2日のエントリ「安倍前首相は若いがゆえに信頼されなかったのか」の中で、自民党内も安倍氏より年上のベテラン議員らは安倍氏のお手並み拝見状態となり、きちんと支えようとしていなかった点について触れましたが、やはり日本社会ではリーダーが年をとっていることに安心したり、共感したり、評価したりする世代があるのか…。
18日の日経新聞朝刊が掲載した調査(15~17日実施)では、福田内閣の支持率はやはり1月の前回調査から2ポイント減の40%(不支持率48%)でした。支持しない理由のトップは「指導力がない」(57%)で、これは「安倍前内閣末期の昨年8月の54%も上回った」と書いています。ところが、自民党の支持率は前回から3ポイント上昇して39%となり、これは必ずしも内閣支持率の低下と比例しているわけではないようです。
同日の産経新聞に載ったフジテレビ報道2001の調査では、福田内閣の支持率は33%と前週(32.4%)からほぼ横ばいですが、不支持率の59.6%が際立っています。これには、「ポスト福田にふさわしいのは」という問いがあり、1位が麻生太郎氏(26.2%)、2位が小沢一郎氏(7.6%)であるのはまあ分かるとして、3位につけているのが石原伸晃氏(7.0%)であるのが解せません。ちなみに中川昭一氏はわずか0.6%にとどまっており、一般社会の認知度はこの程度であるということを、改めて認識させられます。
で、最後は、福田内閣の「生みの親」であるミスター・ナベツネ氏がトップを務める読売新聞の本日付の紙面からです(16、17両日調査実施)。福田内閣の支持率は、1月の調査から6.9ポイントも下がって38.7%(不支持率50.8%)で、初めて不支持率が支持率を上回ったとあります。解説記事を読むと、次のような分析がされていました。
《多くの有権者が、山積する課題に明確な方向性を示せない福田首相にもどかしさを感じ、その政治姿勢にも不満を募らせていることが浮かび上がる》《背景には、有権者が首相に漠然としたイメージしか持っていないことがあるようだ》
…さて、ナベツネ氏の政界工作によって、この福田氏が自民党総裁選に出馬し、総裁に選ばれて首相になったことを、読売はどう総括するのでしょうか。有権者が「漠然としたイメージ」しか持てないのはそれもそのはず、福田氏は官房長官時代もその後も、党総裁選に出てからも首相になってからも、自身の政策や政治理念など特に示していません。何をやりたいか、何をしようとしているのか一切語らない人物を首相に担ぎ出し、今日の閉塞状況をつくり出した責任のいったんは間違いなく、ナベツネと呼ばれるご老人にあるはずですが…。
この読売の記事の「漠然としたイメージ」という言葉は言い得て妙だなと感じたのは、そもそも有権者だけでなく、福田氏を担いだ側の自民党幹部らも、あまり福田氏のことをどういう人物か、どんな考えの持ち主か知らないまま、まさしく漠然と、こういう状況になったし、福田さんでいいんじゃないか程度の緩い認識で福田氏を御輿に乗せてしまったのだろうと感じているからです(もともと福田氏は清和会で「世捨て人」と呼ばれるほど議員との付き合いが少ない人でしたし)。この読売の世論調査に対する党幹部の反応が笑えました。以下に紹介するのは、読売記者が求めた感想への答えです。
尾辻参院議員会長 どうなっているんでしょうね。私も聞いてみたい。正直、よく分からない。あえて言うと、カラーが見えないのが福田カラーと思っている。福田首相の持ち味だと思う。それを国民がどう評価するかはそれぞれ。それが支持率に表れているのかもしれない。
伊吹幹事長 えっと、まあどうなんでしょうかね、株式市場の低迷、それから食品安全の問題、その他あって、国民の気持ちがやや不安を感じておられることの表れじゃないですか。私はむしろ各政党の支持率をずっと注視をして見ているんですが、読売の調査としてはマイナスが出たというのは、他社の調査と非常に違う特徴ですね。他社の調査はだいたい自民党支持率は1ポイントから3ポイント、4ポイントと上向きになってますが、読売だけはマイナスになってますから、この辺りもよく注意してみていきたいと思います。
福田首相 いや、これはもうしょうがないですよね。みなさんが判断することだからね。私のほうでそのためにどうこうということはありません
…福田氏が何についても他人事なのはいつものことですが、他の党幹部にもそれが伝染したのでしょうか。あるいは、もうみんな半ばこの内閣のことを投げているのではないかとすら感じるほどです。「カラーが見えないのが福田カラー」って、不謹慎にも「声はすれども姿は見えず、ほんにあなたは屁のような~」という一節を思い浮かべてしまいました。ご本人に「これはもうしょうがないですよね」とまであっさり述べられてしまうと、それを言っちゃあおしめえよ、日本はこれでいいのかと頭を抱えたくなってしまいます。


by saxophone
短信・金環日食で始まる一日