私は田原総一朗というやたらと威張っている親中・親北派のジャーナリストが好きではありませんし、言っていることもいい加減で無責任極まると思っているので、この人が司会をしている日曜日の番組「サンデープロジェクト」は、特に注目すべきテーマが取り上げられているなど、必要を感じた場合を除いて観ていません。たまにそうした事情があって観ても、結局は不愉快になるだけで得るものなし、という場合が多いのですが、14日の番組は特に噴飯ものだったようですね。
この日は新聞休刊日だったので、翌日の朝日の夕刊に小さく「YKKKが再編の軸」というベタ記事が載っていました。記事によると、自民党の山崎拓元副総裁が、自らと加藤紘一元幹事長と民主党の菅直人代表代行、国民新党の亀井静香代表代行のいわゆる「YKKK」について、「(総選挙後の)政界再編を進める軸が必要で、我々4人はその軸の一つとして考えてもいい」と記者団に語ったとあります。これは、サンプロ出演後のことですね。
そこで、後輩記者が送ってくれたサンプロのメモを改めて読み返すと、笑いの衝動に襲われ、ついで暗澹たる心境に陥りました。番組では冒頭、田原氏が「今の状況は明治維新に似ている。加藤は勝海舟、山拓は小松帯刀、亀井は坂本龍馬、菅は高杉晋作」と例えたとか。ここまでよいしょする田原氏もどうかと思いますが、いやはや維新の志士たちも安くみられたものです。というか、田原氏は先人たちをバカにしているのか。
拉致被害者5人は北朝鮮に戻すべきだったというのが持論で、大好きな中国での講演で靖国神社にはA級戦犯の遺骨があるという全くのデタラメを述べた加藤氏が勝海舟…。日朝国交正常化推進議連の代表であり、北朝鮮の代弁者として朝鮮総連の覚えもめでたく、首相補佐官時代に中国政府の官職を兼任し、下半身スキャンダルはアジアで知らない人がいないという山崎氏が小松帯刀…。横田めぐみさんをはじめ、拉致被害者の拉致実行犯であるシン・グァンス元死刑囚の助命釈放嘆願書にサインした「極めてまぬけな」議員であり、頭を丸めてお遍路に出た菅氏(この人も日朝国交正常化推進議連幹部でしたね)が高杉晋作で、常に政局で感情的な判断に偏って間違い続け、負け続けてきたイメージ最悪の亀井氏が坂本龍馬などとは、洒落にも冗談にならないどころか、悪い夢を見ているようです。とても正視できません。いっそ田原氏の正気を疑いたくなるぐらいです。
そこで、改めて番組での発言を追うと、
亀井氏 米国はオバマが出てきて変わった。日本は一周遅れ。ほっとけない。我々はオバマを飛び越えて前に出る。その役は我々がやらなければいかんという共通の意欲と認識があるのは間違いない。
山崎氏 勝手ながら菅氏や亀井氏にも友情を感じている。どうせ政界再編になるから。その時には、この4人は一つの軸になりうると思う。
…おお、山崎氏は番組内でもしっかり、政界再編の軸になりうると言っていますね。この4人は、自社さ政権で政策責任者だったり、自社さ政権誕生の功労者だったりするので、それぞれ「夢よもう一度」と考えているのでしょうか。と思ったら、加藤氏自身がこう述べていました。
加藤氏 菅さんとは自社さ政権のときに約3年半か4年ぐらい一緒に政策をやった。(中略)ですから、われわれは話し合えるなという思いが共通している。
…この4人を軸に一体だれが何人集まるのか知りませんし、みんな自我が肥大して何か勘違いしている気もしますが、いやこれはこの際、是非、4人が結束して軸になってほしいですね。日本にいらない議員たちが、誰の目にも一目瞭然で分かることでしょう。おっと菅氏も語っていました。村山談話が軸になるそうです。いいですね。これまた分かりやすい。
菅氏 先ほどの田母神論文の問題が出たが、ちょうど、(自社さ政権で)村山談話があって、これは自民党の中でも基本的に了解されたものですが、私はあれで日本の戦後を超えていくことができると当時思った。それが何か揺り戻しが来ている。私は逆に超えていく中で、日本の何と言いましょうか、プライドを十分持っていけると思うんですが、そういう風なところも一つの、私はある意味で軸になるのかなと思っています。
…日本の戦後を超えていけるって、日本を半世紀以上たっても「戦後」に杭で打ち付け、鎖で縛りつけたのが村山談話でしょうに。本当に度し難い人です。心底そう信じていそうなところが恐怖を感じさせます。
さて、今度は、亀井氏が加藤、山崎両氏を焚き付けていますね。何言っているんだかよく分かりませんが、言葉遣いは面白いな、この人は。
亀井氏 それとね、加藤さんは、けしかけるわけではないけどね、自民党は賞味期限が切れたということを公の席でいっている。賞味期限が切れたものを国民に喰わせたら下痢しちゃうんですね。だからそれはね、選挙の前にもし党を割らないんならね、そんなことをいっちゃいかんの、政治家としてはね。お二人とも優れた政治家だと思う。だから付き合っている。でないと付き合いません、そんな暇じゃないから。
2人ともかつて死んでいるんですよ、それぞれ1回は。それがね、奇蹟ともいう形で生き返っているでしょ。ただ、今はね、生きているだけのことだ。これじゃ困る。ただ、2人とも日本の危機、世界の危機を救っていく、それにコミットしてける力のある政治家。それは簡単にいうと度胸があるかないかだけのこと。難しい理屈の話じゃない。
…いや本当に、この二人が今ものうのうとテレビに出て偉そうなことを述べているのは天下の奇観というか、これはやはり奇跡そのものでしょうね。あれだけのスキャンダルにまみれて大恥をかいていったん退場しておきながら、原生動物のような生命力で復活し、それどころか、政界再編の軸になるとまで自ら唱えているわけですから、キリストが水の上を歩いたどころの話ではありません。と、感涙にうちふるえていたら、菅氏もこのクマムシのような2人に手を差しのべました。虫のいいセリフにも聞こえますが。
菅氏 つまりはペリーはやってきたけども、幕末はきたけども、幕藩体制は残っていますから、最終的に幕藩体制を壊して新しい二大政党による政権交代のところの引き金をですね、やはり、もう一つ自民党の中から動きがでてもらいたいというような期待感はあります。
…亀井氏も「舌好調」です。他人のことを言えた義理かという率直な感想も頭をよぎりますが、これがこの人らしさですね。
亀井氏 それは簡単に言うとね、救国の体制をつくるにはどういうつくり方があるかということなの。小沢政権が出来るのは明かですね。人相も悪いし、性格も悪いかもしらんけどね、できますよね、これはね。できた後コミットするっていったってなかなか難しい。だからそれはその時点でコミットしていくかという戦術的な選択になっているわけだ。これ後はね、2人とも政治家だからお考えになったらいいことであって。総選挙の前でないと、選挙、戦いが終わってからね、敗れた方におって、俺も一緒にやろうといったってなかなか政治力学的にうまくいかない
…なんと、今まで非常に厳しいと考えていた自民党が次期衆院選で勝利するための道筋がここにはっきりと示されています。加藤氏と山崎氏が郎党を連れて党を割り、民主党や国民新党とくっつけば、もしかしたら自民党が勝てるかもしれません。さすがは政局の読みでは定評のある亀井氏の言葉には含蓄があります。麻生首相、これ、見てましたか?起死回生の策が明示されましたよ。
あっ、せっかく話がここまで進んだのに山崎氏が二の足踏んでいます。ここはきっぱりと思い切って決断してほしいところです。どうせ1度政治的に死んだ身なんだから、ここは国民の期待に応えてほしい。
山崎氏 いやいやこれはね、私も加藤さんもね、一度も自民党を飛び出たことはないんですよ。出たり入ったりした方が、双方の中で、自民民主、国民新党も含めて主流になっているわけですよ。われわれはばっちりした自民党なんですよ。そう軽々に出たり入ったりできない。
…ここで亀井氏がさらに加藤氏の心をくすぐります。頑張れ、亀井!!GJ!!
亀井氏 小沢政権ができるまでは民主党中心で間違いない。後は自民党がこぼれるとかだ。大幅な政界再編はない。ただ、小沢さんが5年も10年やるわけでない。小沢政権の後になると、こんな政党の枠なんてぱっとなくなる。菅も有力な後継候補だし、鳩山も前原も岡田も。そういう時に加藤さんがゲートインできてるかどうか本人次第だ。そこで一挙に大乱世。
…私はこのエントリで当初、この番組を噴飯ものとくさしましたが、ここに訂正して謝罪します。将来を見据えた真剣で素晴らしいやりとりでした。さあ、自民党のみなさん、一条の光が差してきましたよ。あとはどうやって逡巡している憂国の志士、加藤、山崎両氏をたたき出す、もとい、決断させるかです。もう手段を選んでいる場合ではないでしょう。彼らを平成の勝海舟、高杉晋作、小松帯刀、坂本龍馬にしてやってください。
一言、ひどいとしか言えないメンツによる、一見、ただの世迷い言、与太話に思える会話にも、どこに真実が隠れているか分かりません。勉強させてもらいました。ありがとうございます。はかりしれない深淵をのぞき、目から鱗が落ちた気分です。記者の大先輩にあたる田原氏にも、今まで身の程知らずにも失礼なことを書いてきてすいませんでした。深く反省いたします。


by kakasai
東京を離れて署名してきました…